互助会退会給付金(退会餞別金)の積み立て不足

互助会の給付はH15年度決算によると以下の通りです。退会給付金が8割以上を占めています。

(百万円)
給付対象 給付額
医療費補助 549
見舞金 15
弔慰金 221
準備金 200
祝い金 1,083
退会給付金 12,649
14,717

この8割以上を占める退会給付金はその他の給付と異なり、退会時に在会年数と月俸から予め決められた計算式に従い計算された額が支給されるものです。
支給を約束したものである事からこれに備え、掛金と補給金から積み立てておく必要があります。
これが責任準備金です。

今回の予算委員会で私は現在積み立てておくべき責任準備金を明らかにするよう求めました。仮に現時点で互助会を解散した(全員退会)と仮定した時に、各人に支給すべき退会給付金の総額を明らかにするよう求めたのです。

しかし全員が一度に退会することは想定していないのでそれは出せないとの答弁でした。本来必要な責任準備金に対して現在どの程度用意されているかは互助会の財政の健全性を計る重要な要素であり、それを算定していないとは想像できない事です。

やむなく予め頂いた在会年数の構成と月俸テーブルを元に私の方で概算しました。正しくは会員それぞれの月俸と在会年数が分からないと計算できないのですが、それが手元にないため、高校卒で入庁即互助会に入会したとして、在会年数別の月俸を推定し算出しました。


計算は現時点と今回の退会餞別金への移行期間が終了する5年後を計算しました。但し年間の退会者は5年後に60歳の定年に達する人は全員退会とし、新たな入会は毎年1500人と仮定して計算した。

計算結果詳細はここ

その結果は以下の通り(単位億円)

退会給付金 退会餞別金
現在 1690 0 1690
5年後 842 142 985

一方責任準備金は(単位億円)

収支 年度末責任準備金
H15決算 -47 519
H16予算 -70 449
H17推計 -74 375

必要な責任準備金に比較して大幅に不足している。ここ数年は補給金の減少と高いレベルの退会者の影響で、収支は赤字が続くと思われ更に責任準備金は減少するものと思われる。