環境自治体会議in屋久島に参加
5/28 第11回環境自治体会議屋久島会議に参加しました
台風4号の影響により高速艇が欠航しフェリーに乗り換え屋久島を目指しました。
そのフェリーも1回目の着岸は大きな波で出来ず、あわや鹿児島へ引き替えさねばならないかと心配しましたが、何とか接岸やっとの思いで屋久島に上陸できました。
日頃から人間の都合で予定を立て、くるくる動いている大阪の生活とは違い、自然と真正面に向かい合い生活している屋久島の一面を見る思いがしました。
フェリーの船中千葉県から参加の市民ネットワーク千葉のメンバー5人と仲良くなり、選挙や日頃の活動について話が弾みました。
又秋田県から参加の軽油代替燃料の社長や省エネルギーセンター普及部長とも話が弾みいろいろと教えて頂きました。お二人は私が参加するエネルギー分科会のスピーカーなのであすの話が楽しみです。
第一部の基調講演はスライドを交え屋久島における持続可能な地域社会とはどうあるべきかとの問題指摘がなされました。
第二部は4人の首長と市議会議員、行政職員とが「環境自治への葛藤、伝統と近代化の狭間で」とパネルディスカッションを行いました。
パネラーの森生郁代さんは所沢市の議員で今回で9回目の参加とか。彼女とは他の勉強会でご一緒したことがあり、給食問題がきっかけで議員になられた方です。
行政からは大阪府池田市の環境に優しい課の課長長森育代さんが参加。課長を庁内公募で募ったときにただ一人応募された勇気ある女性です。
山形県遊佐町長からはアルミ工場進出がきっかけとなり清流保全条例が作られたこと、京都府八幡市長からはS40年代後半からベットタウン化し、新旧住民の古里意識作りに自治会を活用したこと、自前の環境基本計画を作り市民監査制度などを取り入れ環境自治体宣言となったと報告、枚方市長からは里山に対して里川の思想、川に向いた町作り、水上交通復活の計画と里山保全基金の積み立ての話がなされました。
夜の部は屋久島の方言で様々な要素を混ぜ合わせることを指す「まぜくい会議」が行われ、屋久島で保護保全活動に取り組まれた方々からの報告がありました。
H5年に世界遺産に登録されてからの観光客は急激に増え続け昨年は29万人の観光客があったそうです。屋久島の林は自然観察をするだけでなく、林、森の中に身を置いた人間が感じることの出来る空間である。そのためには観光できる地域を限定することや、昔年3回は岳まいりと称し、森からの恵みに感謝し、一切人が森に入らない日があった。
3年前からこれを復活し、人との共生を図っては等、実際に活動してこられた方々からの報告は胸にどっしりと響くものがありました。
「屋久島の森は森自身が持つ力が守った」や「森は人を作る」等人生をかけて原生林を守ってこられた方々の報告に深い感銘を覚えた”まぜくい会議”でした。

5/29 二日目の分科会
二日目の分科会は10に分かれて行われ、私は「動き出す自治体エネルギー政策」の分科会に参加しました。
その中で私の関心をひいた事例は福岡県大木町で小学校で行われている省エネ授業でした。「理念でなく技を教える」という方針で、長崎大学環境科学部中村助教授のバックアップを得て、4年前から取り組まれ、授業の仕上げに役場や商店街に出かけ鋭い質問を浴びせているという報告でした。
例えば役所の職員に天井の蛍光灯をさして「これ何ワット」と聞いたり、家庭の契約アンペアーを聞いたり、エアコン1台何ワットかを聞いたりして、省エネを行っているつもりの職員でさえ基本を押さえることがいかに大事であるかを実感してもらっているようです。
この授業を受けた生徒さんたちの家庭では平均20%の省エネになり、又その後も継続して省エネスタイルの生活を続けているとのことでした。
太陽光発電などでクリーンな電力を作り出すことも大事ですが、同様に省エネもしていかなければと再認識しました。
二日目の会議終了後勉強会でご一緒する阪神間の市議に誘われアカウミガメの産卵を見学しました。
夜9時前に出発し、民宿に帰ったのが真夜中の1時過ぎ。台風4号が接近中で暴風雨警報が出る中、ダメで元々と出かけましたが幸運にも産卵するカメに遭遇できました。
真っ黒な闇の中をリーダーの後をひたすらついて行くこと20分。いくら目が慣れたとはいえ、カメの足跡は私には見えませんでしたが調査隊の人たちにははっきり見えるらしく案内して下さいました。体長87cm幅70cmのウミガメが139個の卵を産み、その卵を安全な場所でふ化させるために移す作業にも参加させてもらいました。
通常120個前後産卵し、地温によって雄になったり雌になったりするそうで、丁度ピンポン球ぐらいで大きさも同様です。ただ中には雪だるまのように二つひっついたり、ニワトリのように楕円形のものもあるようでそれらはふ化しないそうです。
産卵中のカメは後方からの光には余り反応しませんが、産み場所を求めているカメに光を当てるとその日は産卵をやめて海に帰ってしまうそうです。
ウミガメの生態を毎晩観察するNPOは4月20日過ぎから7月下旬までの産卵シーズン中は毎晩9時頃から朝方まで活動されています。
この人たちの活動をバックアップする意味から賛助会員になりました。
関心のお持ちの方はどうぞこちらにご連絡を

5/30
台風の影響はこの日も収まらず本日帰宅予定の人たちも全員島で足止め。
ただこの日はプロペラ機が3便飛び立ったそうですがキャンセル待ちは何と250人以上とか。勿論高速艇やフェリーは欠航です。
午前中の各分科会報告終了後、雨の中を屋久島環境文化村センターと屋久島自然館へ。
コンピューターグラフィックを使ってのウイルソン杉再現や実物展示など視覚に訴えるものがそれぞれ良く工夫されており、屋久島や屋久杉、島についての基本的知識は修習できましたがその分ますます本物の屋久島杉を見たいとの思いが強くなりました。台風4号は今夜中に上陸し明日午前中は晴の予想なので一縷の望みを持っています。
民宿で同じ宿になったよしみで夕食後は会話が盛り上がりました。
それぞれの出身は屋久町、福岡県古賀市、神戸市、米子市、我孫子市、東京といった塩梅で、環境自治体会議の良さの一つであるネットワーク作りも順調で名刺もずいぶん頂きました。