福祉の国デンマークへ
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当初コペンハーゲンの福祉を学ぶ予定であったが、車で1時間のヘルシングーア市が良いとのことでこちらに変更。
通訳をして下さるのはフィッシャーみどりさんという聡明そうな日本女性。
海外に出て感じるのだがストラスブールの通訳の方といい、このみどりさんといいとても美しい日本語を話される。見習いたいものです。
市の方から説明にこられた職員は高齢者福祉のマネージャーのアナセン(アンデルセン)という27歳の長身の男性でした。
大学生の時にはコンサル会社でアルバイトをしていたとか。
ヘルシングーア市は人口6万人。ちなみにデンマークの人口は530万人で兵庫、北海道、千葉に近く、面積は九州位。
16の県と275の自治体からなり、最大の市は50万人、最小の市は3000人から4000人。
国、県、市の役割は明確になっており、国は外交、防衛、警察、国道、大学など、県は病院、身体障がい者、高等学校等。
市は一般市民に関すること、児童福祉、義務教育、高齢者福祉を担っています。
社会保障は税金でまかなわれ原則無料だが、保育には一部負担がある。
人口6万の市で在宅ケアに回る人が360人(市の職員で95%が女性)。内容は@日常のこと(買い物、掃除、洗濯等)A包帯を変える等B投薬など看護師の仕事C補助器具の仕事となっています。
1チームは20人で3人の看護士、3人のその他のスペシャリスト、1人の物理治療者と13名のヘルパーです。
1月に平均1671人を世話しています。
しかし年金生活者が多くなり、高齢化を迎えてきたので、従来より流動性のある状態が必要であると認識しているとのこと。民間会社は現在2社。市も広告を出すことは可能。今は追加のサービスを買うことも変更も可能である。
在宅は過酷な仕事で、補助員を確保する必要があるとのことでした。
午後は福祉施設(モンテベロ)を訪問。女性施設長から説明を受けました。現在60人入居で、平均年齢は80〜100歳。
スタッフは1:1でついている。
在宅ケアで1日8回回ることになると施設入居を勧める。入居に当たっては人生の背景、体験をよく聞く。そうしないと個人に対しての対応がはかれないから。
施設は市立6箇所、私立2カ所。待機期間は3ヶ月から半年。ここで疑問に思ってきたことの一つが氷解しました。
それは市の職員がヨーロッパ各都市とも非常に多く、財政面で心配だったので質問しました。
その結果給料は職種で決まり、公立、私立は関係ないとのこと。ちなみに1週間37時間勤務で夜間、週末勤務は加算があるとのことでした。
日本の老人施設に比べ非常にゆったりとした空間。施設特有のにおいは全くありませんでした。
入居者のご厚意で一室拝見させて頂きました。使い慣れた家具が置かれ絵や写真、置物のある部屋はとても素敵でした。
驚いたのは浴室に浴槽がなかったことです。シャワーだけの設備でしたが車いすでも利用できるよう広さは十分ありました。

市役所の 歴史を示す 六面の 
       ステンドグラス ハムレットおり
ヘルシングーア 福祉社会を 語る君
       二十七歳 未来を語れ
北欧の 福祉社会を 通訳す
      フィシャーみどり 美しき日本語
代々の 金の鎖を 首にかけ
     市長と写る 遠来議員
金色の 首にかけたる 市長の証
     見守りしは 歴代議員
洋上に 白き一列 天をつく
     市民の力 エコ発電
ろうそくの ゆれるランチに 集いしは
       高齢福祉 学ぶ議員ら
ろうそくも スプーンの柄にも 海の青
       ついの住みかの シンボルカラー