万葉の旅巨勢の椿と飛鳥を訪ねて
春本番を思わせるような日和に恵まれ、万葉の旅へと出発しました。
現地散策も今回で三回目。回を重ねるごとに参加者も増え、うれしい悲鳴を上げるほどになりました。
途中道の駅で休憩をとったときはたくさんの野菜を購入する主婦の一面をのぞかせたメンバーも巨勢がちかずくにつれ車中の話題も弾み、万葉の旅への期待がふくらみます。
「河上の つらつら椿 つらつらに 見れどもあきず 巨勢の春野は」と万葉に歌われた巨勢は、700基を越える国内最大級の群衆墳「巨勢山古墳群」があることでも有名です。
訪れた巨勢寺跡は近鉄吉野線の線路を横切っていくという場所にあり、よく知った人でないとなかなか訪れられないところでした。飛鳥に精通した大高先生だからご案内していただけたものと思います。往時を偲ばせるのは五重塔の礎石のみ。そこに椿をちらし写真に納めました。
巨勢山の左側は赤土が露出し、巨勢寺跡から望むと何とも無残な光景でした。阿吟寺の裏山では椿を植林し、往時を取り戻そうと努力されているようですが、同じ努力をこのはげ山でも是非してほしいと思いました。
知識がなければ通り過ぎてしまいそうな小川でもここが明日香川と聞けば万葉人の心のひだの一端をうかがい知れます。先生のお話によると万葉人は現代人と異なり、直接的な表現でなく心の内は何かに託して伝えるのだそうです。
その後オーケストラを持っていた寺として有名な川原寺跡や板葺きの宮跡、小墾田(おはりだ)宮跡に立ち寄り万葉人の生活を現在に引き寄せての解説に心豊かになると同時に、人の心の普遍さも実感いたしました。
次は一泊での勉強会という声もあがるほど盛り上がった一日も大高先生のご尽力と参加された皆様のご協力があってのものと感謝しています。
次回が楽しみです。