朝日新聞(H15年1月9日付け朝刊)によると

国土交通省が淀川水系の河川行政に住民らの意見を反映させるため設けた「淀川水系流域委員会」が、原則としてダム建設を認めない提言案をまとめたことが明らかになった。
「ダムは自然環境に及ぼす影響が大きい」と指摘し、工事中のものも対象にしている。
同省近畿地方整備局は提言を尊重する立場を明らかにしており、同水系で進む五つのダム事業のうち中止されるものが出てくる公算が大きくなった。

関係者によると、提言案はダムについて「生活の安全・安心の確保や産業・経済の発展に貢献してきている」と評価する一方で、「地域杜会の崩壊を招き、河川の生態系と生物多様性に重大な悪影響を及ぼしている」と批判。計画段階や工事中のものも合め原則として建設しないことを求めている
建設が許されるのは、有効な代替案のないことが客観的に認められ、住民合意が得られる場合に限るという厳しい条件をつけた。
淀川水系では国直轄の大戸川(大津市)、余野川(犬阪府箕面市)、天ケ瀬(京都府宇治市)、水資源開発公団の丹生(滋賀県余呉町)、川上(三重県青山町)の5ダムが整備中。完成済みの天ケ瀬は改修工事を計画しており、ほかは本体工事前の周辺道路建設などが進んでいる。

委員の一人は「天ケ瀬の改修は環境への大きな影響がないが、残りの4ダムは水需要の減少やほかの治水対策によって必要性が低く、中止される可能性が高いのではないか」とみる。同整傭局も昨年12月、何らかの形で5ダムの計画を見直す考えを同委員会に伝えた。
97年の河川法改正で、河川整傭計画に有識者や住民らの意見を反映させる制度が導入されたのを受け、01年2月に同委員会が設立された。芦田和男京大名誉教授が委員長を務め、環境や防災などの専門家、自然保護に取り組む住民の代表ら計55人でつくられている。


この記事にもあるように「ほかの治水対策によって必要性が低く」と委員が述べているように、ダムの必要性は過大すぎる安全率の見方などで構築されており、今まで必要といわれていたものも、状況が変われば必要性が薄くなる。
所詮は作るための論理構築がなされているのである。