土地開発公社先行取得について

 文化財保護用地として取得した池上町190番地の1他5筆について、まず先行取得した土地とはどのようなものですか。取得価格はいくらで、取得に伴う新たな出費は発生していませんか。金額もあわせてお答えください。
 また、この土地は和泉市及び大阪府の関係者の話では、大阪府から依頼されて取得したと聞いていますが事実ですか。それが事実なら、なぜ府が直接買い上げずに和泉市が取得したのですか。以上をお聞きします。

答弁
教育次長兼社会教育部長(大谷幸廣君) 社会教育部の大谷でございます。池上曽根遺跡土地開発公社先行取得につきまして、御答弁申し上げます。
 まず、土地開発公社が先行取得いたしました土地の取得前の状況並びに取得価格についてでございます。当該地は、府立弥生文化博物館西側の隣接地の池上町190番地の1他5筆で、面積は約4,500平米でございます。織物工場跡地で倉庫として使用されておりましたものでございます。取得価格につきましては8億3,577万7,800円でございます。

 次に、取得に伴う新たな出費はないかということでございます。土地取得時に必要な鑑定委託料、測量費、管理用フェンス設置工事等が発生してございます。合計で約500万円でございます。そのほか、先行取得後の利子が発生しておるところでございます。平成15年度単年度で約1,200万円でございます。

 次に、なぜ府が直接買い上げずに和泉市が取得したのかという件でございます。当該地が売却され宅地等に開発される動きがございましたので、大阪府教育委員会と協議いたしまして、池上曽根遺跡と弥生文化を学習できる施設を設置し、池上曽根史跡公園、府立弥生文化博物館をあわせて一体化した活用を図っていくこと、また周辺環境も整備していきたいということから、(仮称)池上曽根遺跡研究センター用地といたしまして、和泉市土地開発公社に先行取得を依頼したものでございます。

 当該地が売却され開発されるおそれがあるという緊迫した状況にございました。不動産業者や開発業者に転売されることによりまして、地価が高騰するということも危惧されたわけでございます。そのことから、緊急に買い上げる必要があるということになり、土地開発公社で先行取得したものでございます。
 以上でございます。

◆21番(小林昌子君) 1点、答弁漏れがございます。公共用地の件で。
 大阪府から依頼され先行取得したのは事実かとお聞きしましたが、御答弁いただいておりません。

◎教育次長兼社会教育部長(大谷幸廣君) 社会教育部の大谷でございます。
 土地の取得につきましては先ほども御答弁申し上げましたとおりでございます。周辺の環境も含めた整備につきましては、府・市教育委員会で協議している状況下で、博物館隣接地に適当な土地がありましたので、府教育委員会からの依頼に基づきまして取得したものでございます。
 以上でございます

質問
ただいまの御答弁では、「府教育委員会から依頼された」と、こういうふうに理解いたします。

 先ほど答弁が漏れていたということで確認いたしましたが、大阪府から依頼をされてこの土地を和泉市が先行取得した、このことに間違いがないかもう一度お聞きしたいと思います。
 それから、大阪府と協議してこの土地の取得を実行したということですが、そのときに買い戻し時期、買い戻し条件が協議されたはずですが、その内容はどのようなものでしたか。また、その内容は書面で取り交わしていますか。
 大阪府が直接買い上げられなかった理由は、先ほどの答弁では、緊迫した状況や転売による地価の高騰が懸念されたとのことですが、本当の理由は大阪府の財源の問題ではありませんか。
 以上お聞きします

答弁
◎教育次長兼社会教育部長(大谷幸廣君) 社会教育部の大谷でございます。ただいまの小林議員さんの再質問に対しまして御答弁申し上げます。
 まず1点目の土地の取得でございます。これにつきましては、先ほども御答弁申し上げましたとおり、府教育委員会からの依頼に基づきまして取得したものでございます。

 次に買い戻し時期でございますけれども、買い戻し時期につきましては、史跡公園の第1期整備事業が完成いたします平成12年度末を目途に府教育委員会と協議してまいりました。また、書面での取り交わしはしてございません。池上曽根遺跡の史跡公園整備事業は、府、市が協調して実施してきている事業でございますことから、府、市の厚い信頼関係に基づくものであるということを何とぞ御理解いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
 また、先ほど御答弁で申し上げましたとおり、大阪府が直接買い上げられなかった理由は、大阪府の財源の問題ではないかという件でございます。この件につきましては先ほども御答弁申し上げていますように、開発に直面しているという予期せぬ緊急事態の中で、府、市間で協議いたしました結果、最終的に市の開発公社で先行取得するということになったものでございます。
 以上でございます

◆21番(小林昌子君) 議長、恐れ入りますが時間延長お願いいたします。
 答弁漏れがありまして、買い戻しの時期はお答えいただきましたが、買戻し条件は当然協議されていたと思うんですけれど、そのお答えがありませんので、それについてお答えください。
 また、文書での取り交わしはなく口約束とのことですが、お互いの信頼関係から書面にする必要はないとのことですけれども、8億円を超える事案であり、口約束というのはいかにも納得できません。お互いの信頼関係があるなら、なおさら口約束の内容を書面で確認するのは何ら問題ないはずです。透明性を確保するにも、最低限書面での確認が必要と考えますが、いかがですか。

 また、現在、大阪府への買い戻しの要望を出されているようですが、取得の経緯からして買戻しはお願いするのではなく、当然の要求であると考えていますので、このあたりについてもお答えください。
 大阪府の財政問題に引きずられてのことと思いますが、和泉市も例外ではありません。和泉市としてこのような土地を保有する余裕はないはずです。早急に買戻しを請求すべきと考えますが、いかがですか。

◎教育次長兼社会教育部長(大谷幸廣君) 社会教育部の大谷でございます。再々質問に御答弁申し上げます。
 買戻し条件についての件でございます。この件につきましては、具体的な取り決めはしてございませんけれども、ただ買戻し価格につきましては、公社の先行取得であるということで、基本的には帳簿価格という認識をしているところでございます。

 次に、書面での確認の件でございます。府、市間の信義、信頼関係に基づきまして書面は交わしてございませんけれども、毎年、市から府に対して買い上げを要望いたしております。それに対する府からの回答をもちまして、府も買い戻しにつきまして十分御認識いただいているところでございます。

 次に、買戻しを請求すべきという件でございます。府教育委員会とは毎年の予算要望以外にも、買戻しと土地利用について幾度となく話し合いを持っておるところでございます。府教育委員会の見解といたしましては、府財政が非常に逼迫している現状の中では、財政当局の理解も取りつけも非常に困難であるということでございます。しかしながら、府教育委員会といたしましても、府、市の協調・連携の中で、池上曽根遺跡公園の整備事業に取り組んできていることもあり、十分理解しているとのことでございます。

 市教育委員会といたしましては、府に買い上げていただくまでの間、この土地を市土地開発公社に先行取得していただき保有していただいている以上、バス駐車場としての借り上げなど、十分な活用を今まで以上に強く府に働きかけてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます

◆21番(小林昌子君) 大阪府の事業のために大阪府から頼まれて、和泉市が平成12年の整備のときには買い上げるという一定の約束のもとに買い上げた土地を、自分の財政の都合で約束を反故にして、大阪府は駐車場代としてわずか利息にも足りない分を払っているという現実の中で、こんな虫のいい話はないですよ。

 和泉市はそれほど余裕がある財政ではありません。教育委員会、あるいは他の部署へ行ってもお金がない、お金がないと言っています。それなのにどうして大阪府のために8億数千万円、最初は8億3,000万円だったのが、今は8億9,000万円近くに膨れ上がっております。しかも帳簿価格で買い上げるということは、一定の認識であったというようなお話もいただいておりますけれども、それも口約束、すべて口約束です。市民の皆さんからお預かりした税金を地方公務員法によれば、最少の費用で最大の効果を上げるというふうに記されています。その皆さん方がそんなことを口約束だけでできるというのは、私はおかしなことだと思います。

 府に早急に書面を提出をお願いするのは当たり前ですし、まして買い戻しの条件は話し合っていないんですか。答弁は先ほど話し合っていないように答弁されたと思いますけれども、それは12年の約束が履行されるという前提ですから、12年の約束が履行されなかった時点で改めて話し合われなければならなかったと思います。

 この件につきましては、大阪府の職員の方にも行ってお聞きしました。そうしましたら、前任者から和泉市とのこの土地のことについては、大阪府が活用を考え、大阪府が一定依頼したという認識は持っているというふうなことはおっしゃいましたが、それらはすべて口約束であります。大阪府にも書いたものがないそうです。じゃ口約束である以上、引き継ぎの際に何代か例えばこれが塩漬けになって5年、10年たっていくうちに、悪意でなくても引き継ぎを忘れた場合は、大阪府には書いたものがない。和泉市は幾ら大阪府が頼んだんだと言ってもこちらもそれを証明するものがないとすれば、これは塩漬けの運命になる土地じゃないですか。そんなことでは困ります。

 そのあたりは強く認識いただいて、教育委員会は、これは大阪府の教育委員長と和泉市の教育委員長の間で、覚書なり協定書なりを交わしていただくように要望いたします。
 最後に教育長にお伺いいたします。
 今までのやりとりの中で、この土地に関して、大阪府教育委員会と和泉市教育委員会の間で一切の書面がないことがわかりました。教育長はこの事実をいつお知りになりましたか。また、どのような説明をお受けになりましたか。説明を受けたときの感想をお聞かせください。
 また、書面がないことについて、市民の方、後ろにも傍聴の方が来てくださっていますが、市民の方に納得のいく説明をお願いいたします。
 以上でございます。

◎教育長(油谷巧君) 教育長の油谷でございます。先ほどからこの池上曽根史跡公園に関係する土地の件で御質問をいただいております。
 いつ知ったかということでございますけれども、私が教育委員会に参りましてそういう事実があるということを認識いたしました。

 私の感想ということでございますけれども、確かにこの事案につきましては、書面での取り交わしがないということでございます。取引等の約束事につきましては、通常は仰せのとおり書面で取り交わすものというふうに考えられますけれども、先ほど来教育次長の方からお答え申し上げておりますように、この池上曽根史跡公園整備事業に関しましては、府、市協調のもとに事業を進めてきているというものでございまして、そのような背景もございまして、お互いの信義、信頼の関係の中で書面が取り交わされなかったものと私は理解しておりまして、したがいまして今回の場合、今も申し上げましたように、府、市間の信義、信頼関係に基づくものでございまして、本市からの要望に対する府回答などをもって、府も買い戻しについて十分認識していただいておるというふうに理解しております。

 そして、先ほど塩漬けというお話がありましたけれども、そうならないように毎年、府に対して要望を行っておる。毎年の担当者もその認識を新たにしていただいておるということでございますので、決して塩漬けになるというようなことはないと私は確信いたしております。
 以上です

◆21番(小林昌子君) 私は、市民の方に納得のいく説明をお願いしたんですが、そのあたりが抜けていますのでお願いできませんか。
 例えば今、この傍聴の方に説明をするなら、教育長はどんなふうに御説明されますか

◎教育長(油谷巧君) 教育長の油谷でございます。
 今、申し上げたのが私の考え方であり、市の考え方ということでございますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。

◆21番(小林昌子君) 今のお話では、府と市の信義、信頼に基づいて毎年要望を行っている。塩漬けになることはないというようなお話でございますが、平成12年の約束が履行されなくて13、14、15、16と毎年要望を重ねているにもかかわらず、大阪府の財政状況を理由に一向に進展していないのが事実であります。大阪府の財政状況が今後、この二、三年のうちに急速に回復するという予測も非常に厳しい中で、これは少なくともここ何年間かは、このような状態にならざるを得ない状況だと思います。

 書面がないというのは、府と市の信頼関係に基づいたものであるとの御説明でありますけれども、市民の方は自分の生活を切り詰め、1円でも安くとあちこちのお店を回っておられます。しかしながらそのような中でも、納税は国民の義務だからと納めていただいているわけです。にもかかわらず、8億円ものお金を大阪府のために用立て、かつ約束が果たされていないにもかかわらずお願いしかできない立場とは、一体何なのかと考えてしまいます。

 この土地は、解決が長引けば長引くほど利子がかさみ、大阪府はますます買い上げにくくなります。和泉市にとりましても買い上げは口約束の上、買い上げ時期も約束されていない以上、教育長は塩漬けにならないとおっしゃいましたが、私は塩漬けになる可能性が高いと考えております。
 そうならないためにも、買い上げ時期と買い上げ方法、帳簿価格であるということを明記した書面は必要最低限の市民への説明責任であると私は考えておりますので、教育委員会は早期解決に向け取り組んでくださることを強く要望いたします。