大阪府内の女性議員三人で福祉の町鷹巣へ

鷹巣町は日本の自治体として初めてのホームヘルパー24時間派遣や、デンマークをモデルにした全室個室の老人保健施設「ケアタウンたかのす」等で知られる福祉の町です。
高齢化率27%を越えるこの町にこの春日本で初めての高齢者安心条例が制定されました。
一言でいえば高齢者の尊厳がしっかり守られるよう町全体の介護サービスの質の向上を図るのが目的です。
具体的には「拘束」をしない。権力行使(痴呆性高齢者の気持ちが否定されたり、その行動が管理、制限されたりする心身への介入行為)が許される場合のみが掲げられそれ以外はいっさい認められないといったものです。
例えば何気なく行う利用者の手を押さえたり、手や腕をとって本人の意志に反する方谷に誘導したりも認められません。
条例は町内諸施設の権力行使を記録し、報告、公表、学習するという4本柱で構成されています。
介護レベルのバロメーターとも言える床ずれを発見したときは町長に報告することが義務づけられています。
介護施設にすんでおられる高齢者の方々にのんびりした日常生活を保障するためにできた条例だそうです。
この条例制定の前段階にはワーキンググループを中心に住民と行政が一体となって高齢者の福祉のあるべき姿を考える機関がありました。ケアタウンたかのすを作るときにはモデルルームを作り、約700人の住民がモデルルームでの生活を体験し、90項目にわたる改善を提案したそうです。
又介護保険料も全国平均より約1000円高い3880円となっているのも住民の選択によるものです。
このようにまずソフトがあり次にハードの部分を作っていったため非常にうまく機能しているように感じました。
ケアタウン鷹巣は昨年に引き続き2回目の訪問になります。独特の三角屋根のとんがりは鷹のくちばしをあらわしているとか。
デンマークを手本に立てられた広く明るい施設にはデンマークから直接買い付けたそうで、テーブル、椅子、照明器具が良くマッチしていました。
説明を聞いている間、徘徊するご高齢の方には職員二人が寄り添うようにゆったり歩くだけで非常に静かでゆったりした時間が流れる空間でした。
在宅複合型施設「ケアタウンたかのす」は高齢者・障害者および介護者(家族)の在宅での生活を支援するための施設で、平成10年12月に完成し、翌年の平成11年4月オープンにしました。老人保健施設(80床)を中心に短期入所施設(30床)、デイサービスセンターなどからなり、補助器具センターも併設されています。運営は鷹巣町から(財)たかのす福祉公社に委託され、100名余のスタッフが24時間態勢で鷹巣町の福祉を見守っています。
  ケアタウンでは、施設はあくまでも「家庭」の延長線上であり、利用者個人の意志を尊重し、自立のために利用者本人と介護者(家族)の状況に応じた支援を図る、という考え方を基本方針としています。そのため、居室は全室個室化され、使い慣れた家具なども持ち込めるようになっています。福祉サービスの充実には、サービス提供の担い手であるマンパワーが欠かせません。ケアタウンの職員数は介護職員、看護婦、栄養士その他を合わせ、将来的には入所者一人当り1.5人のスタッフを配置し、北欧先進地並みの態勢にする計画です。
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