「未来ある子供達のために」
〜食と農と環境を考えるフォーラムin和歌山 に参加して〜
EMグループが昨秋和歌山那賀郡の有機実践グループと交流。そのご縁で近畿農政局の方と知り合い上記フォーラムに参加できました。
場所は和歌山県庁近くのアバローム紀の国。部屋にはいると披露宴会場のように丸いテーブルが8カ所。それぞれににんじん、タマネギ、ピーマン、なすとテーブルに展示され、いつもの講演会とは全く違う雰囲気。
きっと農政局の方が全員参加のワークショップを意図して工夫をこらされたものと思います。
それぞれのテーブルに分かれた参加者はまず自己紹介から。私のテーブルは私以外全員和歌山県内の方々で、学校関係の方4名、生協関係が2名、生産者が2名、行政が2名というメンバーでした。
それぞれの自己紹介を兼ねて日頃感じている「食」についての思いを語るうちに「学校給食」における地産地消が大きなテーマとなってきました。
しかしそれに至るまでには子供を取り巻く「食環境の変化」がおおいに語られました。
・おいしい給食を目指したきたが、O157以来安全が重視され、生野菜や果物が出せなくなった
・ある中学校では3年前から給食となったが最初の給食はパン、牛乳、ちくわのあげたもの、汁物で口に押し込んだ記憶のある代物だった。センターから配達されるのでうどんはのびてさめてる。焼きそばはベチャベチャ。冷凍品のあげたものはまっ黒。残さずに食べるのが無理、一食200円から230円になったのでやっと一品増えた。
・子供たちは作物がどんなにできているのか知らないのではないか。旬を実感してほしい。・母親大会で200食の弁当を作ったが食中毒予防の観点からアルコール消毒をしたがこれでは本来の持ち味を生かしたものか疑問に思った、雑菌とうまくつきあう生活が必要。・平成9年に54人で立ち上げた有機農業グループが申し入れを行い、H14年4月稼働の給食センターに地場の有機、減農薬の野菜を納入できるようになった。
・食べることは命を作っていくこと。小さい頃からの食歴がいかに大切か。又免疫力を高める食事も必要。学校教育田その他農の体験にはお客様扱いではなく、子供たちが失敗することも含めて教育を考えてほしい。
等たくさんの意見が出されました。

各テーブルの発表の中では
「子供の味覚が変わってきている」「作るのは母親と決めなくて、男女共同参画社会を作っていくのなら、父親やおじいちゃんの出番があってもいいのでは」「何にでもマヨネーズという子供たちの事をもっと知りたい」「トウモロコシや大根を生産者と一緒に作ったが、自分の作った食材は残さない」「食事ではなく、餌化しているのではないか」といろいろな提言や問題点が出されました。
今回の集いは「子供たちのために一歩前へ!」という趣旨で企画されましたので、欠点や悪いところをいうだけでなく、いい方向に踏みだすために大人はどんなことができるのか、地域に帰っての取り組みの課題となりました。
東京から来られたマスコミの関係のお一人は、霞ヶ関では「なにやら関西方面が数年前から元気な取り組みをしている」との噂がもっぱらで、今回是非きてみたかったといわれていました。
子ども達の食環境だけでなく、岐路に立つ日本農業の行く末を思ったとき、私は「身土不二」という言葉を思い出します。
自分の風土からの恵みを、そして旬のものを旬の時期にたくさん頂く。人間の都合で作物をコントロールするのではなく、自然に沿った自然に生かされた生活こそ当たり前と思いますが、みなさまいかがですか。