万葉の旅 近江を訪ねて
晴天に恵まれて一行は三台の車に分乗して事務所前を出発。
三連休の二日目とあって名神京都南までは渋滞で1時間ほど遅れましたが、無事最初の目的地崇福寺(しょうふくじ)に到着。
急な山道をどんどん降り、川に渡された幅30cm程度の木の橋を渡り、今度は登り道。
やっとの思いで立った崇福寺跡は金堂、三重の塔の礎石が残るのみでした。周囲を木々で囲まれ外界と遮断されたような世界に送られた穂積(ほずみ)皇子は但馬皇女との恋を断つためにここに来たのですが、人を思う気持ちを抑えることが出来たのでしょうか。

家にありし 櫃(ひつ)に鍵刺し 蔵(おさ)めてし
   恋の奴(やっこ)が つかみかかりて
この歌からはそれはとても無理なことのようです。
次に訪れたのは近江八景の一つとされる唐崎の松で有名な唐崎神社。
現在の松は二代目の実生で大正末のものですが、四方八方に伸びたその枝振りはずいぶん立派なものでした。

万葉の良さは1300年前の万葉人が呼んだその場所や心情が現在に生きる私達にも共通することではないでしょうか。
その後私達は紫式部の父為時の越前の国守に赴任の折同行し、歌を詠んだといわれる白髭神社や勝野の港、あどの港に寄って、夕暮れの中万葉人になった気分で歌と風景を楽しみました。

ホテルでの夕食は笑い声の絶えない本当に楽しい宴でした。