万葉講座 紀の国への旅
晴天に恵まれ車は一路南を目指す。
色づき始めたみかんや岩に打ち寄せる波しぶき、磯の香を満喫した一日となりました。
万葉の旅現地散策は今回で4回目。
悲劇の有間皇子が処刑された藤白坂にたたずむと、19歳の若さでこの世を去らねばならなかった皇子の心情が伝わってくるようです。
佐々木信綱氏による歌碑が今も皇子の思いを伝えています。

    家にあらば 笥に盛る飯を草枕
        旅にしあれば 椎の葉に盛る

奈良の都にいて海を知らぬ家人のために、いかにしてこの景色を包み持ち帰ろうかと歌う歌は万葉人と私達の心根が同じであると感じさせてくれます。

    玉津島見れども飽かず いかにして
         包み持ち行かむ 見ぬ人のために