東京都板橋区金沢小学校を視察
環境教育で数々の受賞をしている金沢小学校を訪問しました。
正門を入ると緑が濃くなった葉桜が歓迎してくれました。又少し奥に行くとケヤキ並木が美しい若葉を輝かせていました。
板橋区は昭和63年から「学校の森」事業を実施し、現在80の小中学校の内28校に整備されています。昭和63年から整備の始まった金沢小学校には現在80種2000本の木が植えられ、さまざまな面で子ども達との関わりが持たれています。

学年の木を決め、人との交流も大切に
森が持つ豊かさに気づいた平成7年度から、身近な環境を生かした学習を通して、心豊かな児童を育てようという取り組みが開始されました。学年の木を2本決め(1年生はビワとイチョウ、2年生はヒメリンゴとスモモ、3年生はサンタローゼとサルスベリ、4年生はサクラとアンズ、5年生はポプラとキウイ、6年生はウメとカキ)木の名前を覚えるために「ラップ オブ 金沢」を作り、唄いながら木の名前を覚えていったそうです。
樹木を通しての自然との関わりは勿論、人との関わりも大事な視点として位置づけられ、各学年の総合的な学習の時間に組み込まれています。
例えば1年生は保育園児との交流、2年生は町会のお年寄りとの交流、3年生は近くの老人福祉施設を訪問し、4年生はお年寄りを学校にお招きするといったあんばいです。

「豊ゆずり集会」で思いをバトンタッチ
各学年が一年間大事にしていた品々と、取り組みの中から得る事が出来た知識や経験を次の学年に伝えていくための行事を「豊ゆずり集会」でバトンタッチしていきます。
卒業記念の森に植えられた梅が学年の木になっている6年生はジュースやジャムは勿論、梅干し作りの秘伝も伝授するそうです。
私たちが訪れた時はひときわ美しい若葉のケヤキ並木ですが、秋には落葉しその量は生半可なものではないそうです。しかし金沢小学校ではこの落ち葉さえ堆肥化し自校での利用は勿論、桜祭りで市民の方々に配布されています。
これだけの緑を管理していくためには当然地域やPTAの力が必要で「おやじの会」や「金沢クラブ」も力を発揮しているとの事でした。


母校を誇らしく思う卒業生
臼木信子校長先生の説明を受けている間も、小鳥のさえずりや風にそよぐ緑の梢が優しく豊かな空間を作っていました。
HPへの書き込みでは母校を誇らしく思うメールや、卒業して改めて豊かな環境で過ごせた小学校生活を懐かしく思う投稿など、卒業生にとっても印象深い学校の森です。
この金沢小学校を羨ましく思うだけでなく、和泉の地でも第二の金沢小学校が出来ないものかと感じました。