平成15年第2回定例会一般質問全文
市町村合併について
質問
総務省は,合併特例法の期限を控え,必ずしも順調に進んでいない市町村合併について、期限までの合併の推進に猶予を設けるなどを含め、その推進に躍起となっています。一方、近隣自治体では高石市民の合併反対の判断、忠岡町の岸和田市との合併協議会の設置、泉大津市の今回統一地方選では、合併議論はほとんど聞かれなかった等の動きの中で、今議会で市長は市町村合併について、法定協議会を設置することの意思決定ができなかったため、事実上断念を表明されました。
 市町村合併は、市民にとって極めて重大な事項であり,これらに至った経緯等についてお尋ねします。
 広域行政研究会の調査結果では、おおむね肯定的な調査結果であったと考えますが、それにもかかわらず合併に向けて議論が進まなかった理由は何であったのですか。調査結果を否定するのですか。他市が乗って来なかったのですか。また,どのような場で議論され結論されたのですか。
 議員も含めて市民には全く明らかになっていません。断念した理由を明らかにしていただきたいと思います。

答弁
小林議員さんの1点目の市町村合併につきまして、企画財政部の中井より御答弁申し上げます。
 現在、地方自治体を取り巻く環境は少子高齢化、国際化、経済行動の変化,国、地方を通じた財政状況の悪化等により急速に変化してございます。また、地方分権の推進に伴い、地方自治体みずからの判断と責任において、処理しなければならない課題が増大しているとともに,地域の総合的行政主体として地域の個性や実情に応じた自主的、主体的な施策展開が求められていると認識しております。
 このような社会背景の中で、昨年春に今後の広域行政のあり方について、歴史的,地理的にかかわりの深い堺市,泉大津市,高石市、忠岡町、そして本市の泉北4市1町や,堺市を除きます泉北3市1町において、意見及び情報交換をしましたところ、これらのスキムでの取り組みは困難であるとの結論に達しました。
 そこで、本市及び泉大津市並びに忠岡町の2市1町におきまして、昨年8月7日に泉北2市1町広域行政研究会を設置することになりました。この研究会を通じまして、2市1町の行政サービスの比較分析や財政シミュレーションなどを調査するとともに、地域の未来について調査研究し、その結果を2回の研究会だよりとホームページ等を活用し、住民や議会の皆様にお示ししてまいりました。                   ・
 その後、本年3月末に2市1町の首長が一堂に会し,各市町の意思を尊重することを基本としながら,2市1町の今後のあり方、すなわち次の段階へ進むのかを含め協議をしました。
 その中では,忠岡町は,合併は必要と考えている。地理的、歴史的にかかわりの深い岸和田市とも研究を進めてきたことから、岸和田市との法定協議会を設置する方向で取り組みを進めてまいりたいとのことでございました。また泉大津市は,市議会の中ではいろいろな御意見はございますが、平成17年3月末の法期限にこだわらず、引き続き研究してはどうかとのことでございました。また、本市といたしましては、合併に関する情報の提供後、市民や市議会から積極的に合併を推進する御意見はなかったことから、本市の将来を決める重要な問題であり,慎重に対応してまいりたいということを説明いたしました。
 この結果、2市1町の法定協議会設置の意思形成には至りませんでした。したがいまして,本市の市町村合併の考え方につきましては、各市町の行政サービスの水準格差と財政状況、そしてまた効率的効果的な人口と面積の行政規模、また市民要望を的確に把握できる行政形態等総合的に判断しましたところ、泉北環境整備施設組合等の広域行政の重要性を十分認識しつつ、周辺自治体との緊密な連携と協力を確保しながら、20万都市構想を目指し、和泉新時代にふさわしいまちづくりにつなげてまいりたいということを考えている次第でございます。
 以上でございます。
再質問
市町村合併というのは、市民生活に極めて大きな影響を与えると、そういう大きな課題であると考えています。これは市民の判断を確認することが避けて通れないとは考えておりますが,この判断について,和泉市としては合併をしないということを市民にお知らせして、その判断を問う必要があるのではないかと私は思っておりますが,そのあたりについて御答弁ください。
答弁
企画財政部の中井でございます。
 再質問の合併問題の判断した結果を市民に問う必要があるのではないかということでございますが、本市といたしましては,市民の皆様には2回の研究会だよりの全戸配布や、ホームページを活用し、研究会の開催状況や調査報告書等を掲載し,いつでもだれでもどこからでも情報を入手できるシステムで,情報提供に努めてまいりました。
また同時に、地域の将来やそれから新しいまちづくりのあり方,また市町村合併など、幅広い御意見を募集してまいりましたが、残念ながら合併問題に直接触れる御意見や御提言はございませんでした。
なお、法定協議会を設置するなど、本市の政策的な基本方針を現状から大きく変更する場合は、市民の皆様に御意見を問う必要があろうかと存じますが,今回はその結果には至りませんでしたので,この時点で市民に御意見を問うことは考えておりません。しかしながら,この経過や本市の考え方につきましては、今後広報等で御報告をしてまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
要望
今回,本市は合併をしないという選択をしました。府内で多くの市で法定協議会を設置する動きの中で、このような選択をされました。20万都市を目指すという一定の方向は理解できますけれども今後の市財政を考えますと、行財政改革は避けて通れない課題と私は思っています。
 合併によるスケールメリットをこれで手放したわけでありますから、この限りにおいては行財政改革は喫緊の課題となってきます。問題はこれで終わりではなくて、新たなスタートラインに立ったわけでありますから、市民にとっての最良の選択であったと言えるように、よろしくお願いいたします。

住民基本台帳ネットワークについて
質問
住基ネットワークは、本年8月25日には2次稼働し住基カードも発行される予定です。しかしながら現在でも、矢祭町,国分寺市、国立市、東京都中野区など,このシステムに接続していない自治体が数市あり、横浜市,東京都杉並区、札幌市は接続を市民の選択制によっています。
 札幌市は、既に昨年8月全市民が住基ネットに接続しており、今回当選した上田市長は、導入の際に示された目的と実態に齟齬がある。IT技術は情報が破られることが前提にある。住基ネットは,住民基本台帳法で閲覧可能な4情報以外の個人情報も漏えいする懸念が大きい。市民の不安を払拭したいとして選択制を取り入れました。このことは大きな政策転換であります。
 最近では、長野県の審議会が県知事に対して、市町村が住基ネットから離脱しようとする場合に協力したり、県としても離脱したりするよう提案しました。一方、大阪府箕面市の情報会議審査会会長が、住基ネットへの接続を肯定するような内容の審査会答申には、署名できないとの理由で辞任されました。会長は甲南大学の園田久法学部教授であり、住基ネットは国民のプライバシーを侵害し憲法に違反するが持論の方です。
 このように、現時点でも多くの課題を抱えてスタートする住基ネットについて、次の5項目を質問します。
 1、住基ネットの概要。
 2、システム費用と今後のランニングコスト。
 3、住基カードの発行について、枚数、内容等、紛失したときなどについて。
 4、視覚障害者やドメスティックバイオレンスの方々への対応について。
 5、個人情報が漏えいした場合の責任や損害賠償について。

答弁
小林議員さんの住民基本台帳ネットワークについての関連する数点の御質問について、生活環境部・今井より御答弁させていただきます。
まず、 1点目の住民基本台帳ネットワークシステムの概要でございます。
 デジタルネットワーク社会の急速な進展の中で、行政の高度情報化の推進が必要不可欠であると言われており,国や地方を通じた行政改革、住民サービスの向上が求められているところでございます。このネットワークシステムは、こうした要請にこたえるための基礎となり全国的な本人確認システムでございます。このことにより、国の行政機関,10省庁, 264事務での本人確認情報の提供により、事務の簡素化、効率化が図られるものでございます。
また、本年8月25日より2次稼働いたしました住民基本台帳カードの発行、住民票の広域交付が開始されるわけでございます。
将来的には,この本人確認情報のシステムの活動により、オンライン上での本人確認を可能とし、行政機関に対する電子申請,電子自治体の実現などが可能となります。行政の高度情報化による住民サービスの向上が図られるものでございます。
続きまして,2点目の開発等に要する費用でございます。
 システムの開発費用といたしまして、平成12年度から平成14年度末で、人件費を除き4,994万8,408円となっております。また、このシステムのランニングコストにつきましても、人件費を除き年間で約500万円が必要となってまいります。
次に、 3点目の住民基本台帳カードについての数点の御質問に対しお答えいたします。
 まず、発行枚数の考え方といたしましては、国から示された一定の数値が、住基人口の2ないし3%が望ましいという旨の通知もありましたことから、近隣市町村で構成する住民基本台帳ネットワークシステム研究会でもかなりの議論になりましたが、本市では2.5%と見込み4,500枚としたものでございます。
次に、発行価格につきましては、本年1月未に国から、手数料は500円が望ましい。また、カードに要する経費、交付する手数料の差額分について国の方から財政措置がされる旨の通知もあり、本市を含め府下市町村すべて500円の予定でございます。
 次に、カードの内容説明につきまして、このカードにはICチップが内蔵されており,Aバージョン及びBバージョンの2種類がございます。カードの大きさとしましては,運転免許証、キャッシュカード等の大きさと同じサイズで、表面に表示されますのは住民基本台帳カード,和泉市の文字,和泉市の市章,カード発行から10年後の有効期限、連絡先といたしまして市の代表の電話番号と4情報であります住所、氏名,性別、生年月日が表示されます。
また、カードの種類でBバージョンを選択されると、顔写真も表示されることになります。
 一方、裏面は4情報に変更が生じた場合の変更後の記載欄でございます。また、このカードに内蔵されているICチップの容量としまして、本市では32キロバイトで、情報量の目安といたしまして、数字で表現しますと約1万6,000文字であると聞いております。
 次に、このカードを紛失した場合には、市民課及び最寄りの警察に届けていただくことになります。市で紛失の受付をいたしますと、カードの機能停止を行いこのカードを利用できなくするわけでございます。
 次に、4点目の住民票コードの視覚障害者、及びドメスティックバイオレンス等の社会的弱者の方々への対応でございます。
 本人からの申し出があれば、その希望に沿うよう個々に対応してまいりたいと考えており、今後広報いずみ等を通じPRをしてまいりたいと考えております。
 最後になりましたが,5点目の個人情報の保護対策につきましても,昨年8月の1次稼働でもさまざまな御意見等々をいただいております。ただ,プライバシー保護の対策といたしまして、改正されました住民基本台帳法では、制度面,技術面,運用面から個人情報保護対策が十分に講じられております。また,本市独自でも住民基本台帳ネットワークシステム管理運営規定を策定、これに基づき住民基本台帳ネットワークシステム緊急時対応要綱、緊急時対応計画、住民基本台帳ネットワークシステム事務取扱要綱を策定し,個人情報の保護対策を講じてまいりました。
こうした保護対策のもと、住民基本台帳ネットワークシステムが昨年の8月から稼働しているところでございますが,プライバシーに対する漏えい等に関する事例は一切聞いておりません。ただ万一、個人情報の漏えいが生じたときの責任問題等につきましては、当然管理者が管理責任者が責任を負うこととなると考えております。この場合、被害者になられた方につきましては、漏えい等に関する被害の程度によりさまざまな対応が予測されますが、最終的には法的な対応となる可能性があると認識しております。
このような事件、事態が生じることのないように,何回も申し上げておりますように、また当然のことでございますが、今後も引き続き個人情報の保護には万全の体制で慎重に対応し,2次稼働に取り組んでまいりたいと考えております。             
以上、よろしくお願いいたします。

再質問
昨年発行されましたリーフレットには、これは総務省自治行政局と住基ネット ワーク推進協議会が発行元となっていたリーフレットですが,これを要約しますと、この目的は、 1.全国共通の本人確認,2.電子政府や電子白拾体の実現,3.行政機関における本人確認情報の利用。この3点にあるようであります。
しかし、住民基本台帳法には、本人確認を目的とする事項は見当たりません。第1条で述べられている目的は次のようなものです。市町村において住民の居住関係の交渉、選挙人名簿の登録、その他住民に関する事務処理の基礎とするとともに,住民の住所に関する届け出等の簡素化を図り、あわせて住民に関する記録の適正な管理を図る。
つまり,住民に関する記録を正確に行うことであり、住民の利便を増進することと、国及び地方公共団体の行政の合理化を目的としています。少なくとも、法の目的は2、3であり,1の全国共通の本人確認は当てはまらなく、法の目的と異なる内容を住基ネットは目指していることになります。このことはよく御確認いただきたいと思います。また御認識ください。
次いで、カードの独自利用の基本的な考えと、 ICカード標準システムにおける費用につ
いてお聞きします。
0 副議長(逢野博之君)  はい、答弁してください。はいどうぞ。
0 企画財政部理事(中井正二君)  企画財政部の中井でございます。今の2点にわたりまして御答弁申し上げます。
まず1点目の住民基本台帳カードにおける独自利用についてでございますが、現在の業務の中で、図書館カードや病院の診察券等が考えられまして、それらを1枚のカードに集約することはまだまだ課題が多く、すぐに独自利用するには難しい状況でございます。
しかし、自動交付機を使った各種証明書の発行をしてはどうかという案がございますが,住基カードは外国人には対応できないため、外国人の方々の住基カードについてどのように対応するかが検討課題となっております。当面、住基カードは、平成15年8月交付に向けた準備を優先してまいりたいと考えております。
また,独自利用を図っていく場合には、システム開発が必須となりますが、国からICカード標準システムが無償で提供されております。しかし、市ではシステムを稼働するとなれば、既存システムとの整合性を図る費用や、機器類等にかなりの費用がかかってまいります。
今後,独自利用につきましては、このような標準システムの分析を行うことや、課題解決、そして費用対効果等も十分に検討し、今年度中には一定の方向性を出してまいりたいと考えております。
次に、 ICカード標準システムを導入した場合の費用でございますが、例えば証明書等自動交付システムの場合の概算額として、機器使用、サーバー機一式でございますが1,040万円でございます。交付機1台810万円、既存システムとの連携費用1,080万円でございます。合計2,930万円が必要となってまいりますので,よろしくお願い申し上げます。

再質問
カード発行により利便性が増すのかということで、利便性が増すというお答えをいただいております
が、その利便性を増すということは、どこでも住民票はとれる、引っ越しの手続が簡素化されるという御答弁でありました。
しかし引っ越しの場合,現在は住んでいる役所に転出届を出し、役所から転出証明書が渡され、引っ越し先でそれを提出して転入手続をし、新しい住民票をもらうというのが現行であります。
それに対し住基ネットでは、引っ越し先の役所へ行って行う手続の1回で済むとされていますが、この場合でも、引っ越す先の役所に転出届を出さないといけません。ただし,郵送で付記転出届をした場合は、役所に出向く必要はありません。つまり,役所に行くのが郵送で済むのか,違いはこれだけです。
ちなみに現在でも、郵送による転出届は日常的に行われ、転出証明書を返送してもらうかそうでないかで返信用の80円切手の切手代が節約されるだけです。しかも,転出には転校や年金など、さまざまな手続に元の役所には行かなくてばなりません。その上、引っ越しというのはその人にとって何回あるのでしょうか。
また、カードによる住民票の写しには、本籍の表示はありません。しかし,一般的に求められるのは、本籍を表示したものであります。このようなことから、住基カードを持っていても,住民にとってのメリットはほとんどないも同然と考えます。
さて、同僚の矢竹議員も既に指摘きれているように,この住基ネットワークシステムは日本国籍を有する人たちが対象です。外国人の方々は対象になっていません。仮に高い経費をかけて機器類を設置しても、上記の人たちは利用できないという不平等を生み出します。
加えて、カードにはいろんな機能をつけることは一見便利そうです。それまでは、診察券、図書券、クレジットカードなどたくさんのカードを持たなければならなかったのが、 1枚のカードで済んでしまいます。
しかし,このカードを紛失したり、盗難に遭ったりしたときは,この1枚で個人の履歴がすべてわかってしまいます。病歴、図書館で借りた本,ビデオの傾向、犯罪歴までも丸裸にされてしまいます。しかも、その個人が亡くなった後も記録は永久に残り続けます。
このように利便性の裏には、たくさんのデメリットがあります。多額の費用をかけて,また窓口でカードを持つ人と持たない人の二重対応で、職員や自治体にとって、決していい制度ではないことを申し上げます。
以上住基カードの安全性についてお聞きします。


答弁
企画財政部の中井でございます。
再々質問の住基カードの安全性について御答弁申し上げます。
住基カードの安全性についてでございますが, ICカードは従来のキャッシュカードやクレジットカードに使用されている磁気カードに比べ、カード内に埋め込んだICチップに記録されるもので、現代の技術では最高のセキュリティーが確保されるものでございます。
ICチップには,セキュリティー対策として3点ございます。
まずその1点としましては、記録されたデータのセキュリティーを確保するため,情報ごとにアクセス制限の制御がされております。
2点目としましては、カードに記録された情報領域がそれぞれ独立していることでございます。
3点目としましては、カード外部からカード内のデータを不正に取り出そうとしましても、防御対策ができるものでございます。
以上でございますので、よろしく御理解賜りますようお願い申し上げます。

要望
電子政府、電子自治体と言えば,すべてが許されるといった雰囲気が蔓延しています。しかし,冷静に内容を討議し、不必要なものやメリットの少ないもの、リスクの大きいものはしないことです。
第2の公共事業となる可能性があります。私は今でも住基ネットからの離脱を望んでいま
市長の英断を期待いたしまして,次に移ります。  
性同一性障がいについて
質問
本年4月の統一地方選挙で世田谷区の上川あやさんが当選されました。この方は性同一性障がいの当事者であります。また、競艇の安藤選手のカミングアウト,加えて性同一性障がい者の性別の取り扱いに関する法案が議論されるなどにより,当事者が直面する課題がにわかにクローズアップされてきました。
性同一性障がいとは、心の性と体の性の食い違いに苦しみ続ける状態のことで,WHOの分類にもある疾患名であります。加えて、精神科医が説明されたものを引用いたしますと、人間には身体的な性別とは別に心理的な性認識があり、性同一性障がいは身体の性とは反対に帰属する意識がある。同性愛と混同されやすいが、同性愛は性的志向が同性に向かうのに対し,性同一性障がいでは性的志向でほなく自分自身の性別認識が問題になると述べられています。
本市におきます性同一性障がいに対する認識,及び以下の点についての対応をお聞きします。
 1、公文書、申請書、投票所入場券などから性別記入欄をなくすこと。
 2、職員研修。
 3、病院窓口及び入院等について。
 4、子どもたちへの取り組み。      
 5,相談体制と市民への啓発,広報活動について。

答弁

人権文化部の米田でございます。3番の質問のうち、性同一性障がいについての認識及び市民啓発についての考え方を、お答えさせていただきます。
性同一性障がいという名称自体も最近使われるようになり、自分の思いや状態を公表する、すなわちカミングアウトする人も少しですがおられるようでございます。しかし、現社会の中で生きにくく、べっ視するような言葉で表現され差別されるという状態が生じており、このようなことは個人の自己実現を図る上でも大きな人権問題と認識しております。
今回の世田谷区議の上川さんのような方が社会の中で活躍されることが、性同一性障がいの方々にとって励みになり、このような方々が日々生活の中での問題を訴えることにより,より大きな啓発にもなったと考えております。
和泉市におきましては、性同一性障がいの方々への配慮について直接取り組んだわけではございませんが、平成11年に策定しました人権教育のための国連10年和泉市行動計画に,行政における人権教育の推進の分野で,行政機関は、その業務を通じて人権を守るという重要な責務を担っているとしていることから,中間点検と個人情報を保護する観点から,各課とのヒヤリングを行ってまいりました。
この中では,法律的な規定や事務をする上で必要な個人情報は別といたしまして,行政文書の中に人権の視点で本籍、男女別、国籍、年齢等に関して不要な欄がないかの点検作業をお願いし、同時に業務上不必要なものについては、検討していただきますようお願いしたところでございます。
また、性同一性障がいの方々との窓口業務での具体的な対応につきましては、それぞれのケースにより差があるかと思いますので,人権的な配慮を十分加えていただきながら進めていただきたく、考えておるところでございます。
そして、最後に市民への啓発につきましては、性的マイノリティの人々の存在や、生活する上での不利益やつらい思いをきれている現状を訴えるとともに、市民の方々の理解が重要であることから、関係部局とも協力をいただき機会を見ながら進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。

市立病院事務局の木寺でございます。
性同一性障がいに関します市立病院におきます相談窓口につきましては,医事課内にござます医療相談室でお受けいたしたい、かように考えております。
以上でございます。

行政委員会総合事務局の坂上でございます。性
同一性障がい者の方の関係で、投票所入場整理券の性別表示につきましてお答え申し上げま
す。
まず、投票所の入場整理券に性別を記入、記載しているということで,選挙に行きにくい,投票に行きにくいということが言われてございますが、投票所入場整理券に性別を表示している理由でございますが、現在各投票区ごとに作成いたします投票録には、男女別の投票者数と投票率を記録することとされてございます。現在、その集計につきましては、選挙人が持参した投票所入場整理券を区分けすること等により、把握いたしておるところでございます。
したがいまして,投票所入場整理券から男女別の表示をなくす,または考慮するということは,現在集計する上で支障が生じるところでございます。また、男女別の表示につきまし しては、投票をしていただくときに本人確認するための項目の1つとしても活用してございます。
しかしながら、議員御指摘の内容につきましては理解するところがございまして,先進都市の事例等を調査し,研究してまいりたいと存じております。御理解賜りますよう,よろしくお願い申し上げます。

学校教育部の森より,性同一性障がいについての子どもたちへの取り組みについてお答えいたします。
現行の学習指導要領では、小学校4年生で体の発育、発達について学習することになっております。体は年齢とともに変化すること、体は思春期になると次第に大人の体に近づき、初経,精通などが起こったりすること。また,異性への関心が芽生えること等を学習します。
議員お尋ねの性同一性障がいについては触れられておりませんが、多様な個性や価値観を有する人々が、互いに理解し認め合い,ともに生きるという人権という視点から、指導内容として研究してみたいと考えます。なお,性教育のカリキュラムは、学習指導要領に基づいて各学校独自に編成されるものでございます。
以上でございます。
                           
企画財政部の中井でございます。性同一性障がいの相談体制と市民への広報活動につきまして、御答弁申し上げます。
性同一性障がいの相談につきましては、現在男女共同参画センターで実施しているカウンセリング相談と、本年5月から実施している電話相談で対応してまいりたいと考えております。
これらの相談については、専門のカウンセラーに依頼しており、性同一性障がいを初め、セクシュアルマイノリティについての認識と立場を理解している専門家のカウンセラーに,対応をお願いしております。相談については、相談者の立場に立ち,個人のプライバシーの保護と,人権の視点についても十分配慮した相談対応をしてまいりたいと考えております。
また、市民への理解のための広報活動につきましては、近年、生物学的に遺伝子が解明され、単に男、女に二分できないことが科学的に明らかにされていますので、性については、性同一性障がいを初め多様な性があることを理解し,一人一人が個人として尊重され、ともに豊かな生活を送ることが大切であることを啓発してまいりたいと考えております。
なお,本年度については、性同一性障がい等を理解するための講座を開催してまいりたいと考えている次第でございますので、よろしくお願いいたします。

再質問
性同一性障害について,投票はがきについてお聞きします。
小金井市では2003年のこの春の統一地方選挙から投票用紙に性別の表示をなくしたと聞い
ております。和泉市での次期選挙からの対応をお示しください。

答弁
行政委員会総合事務局の坂上でございます。
投票所入場整理券に関する再度の御質問にお答え申し上げます。
先ほどもお答え申し上げましたとおり、投票入場整理券に男女別の投票者数、性別を記載してございますのは、男女別の投票者数及び投票率を把握するために、現行,男女別の表示を行い,それを使用しているところでございます。
今後、投票事務に支障が発生しない方法等を調査研究いたしまして、本市選挙管理委員会において提案し,協議してまいりたいと存じます。御理解賜りますよう,よろしくお願い申し上げます。
学校教育について
質問
学校教育についてお聞きします。         
今春,緑ヶ丘小学校の1年生は195人、 5クラスでスタートしました。夏休み中に数人ふえれば6クラスになる可能性もあります。同じように鶴山台南小学校も81人2クラスでスタートしました。
私がここで申し上げたいことは、学ぶ基礎をつくる小学校入学時、特に保護者に対し不安を持たせることはよくないと思っています。私にいただいた緑ヶ丘小学校に関するメールでは、秋に6クラスになるかもわからない状況であれば、なぜこの4月から6クラスにできなかったのか、してほしかったというものでありました。              ・
学校が個々に判断するのではなく,市としての方針があれば現場の運営もスムーズになろうかと思います。現に、府内では池田市、岸和田市が1年生より35人クラスを導入していると聞いています。
本市での導入の考えをお聞きします。
 続いて、学校全面禁煙について。分煙はできていると思いますが、現況とトイレについての取り組みをお聞きします。

答弁
学校教育部の森より、学校教育についての何点かの御質問にお答えいたします。
まず,少人数学級の導入についてでございますが,市内の小学校の1学級当たりの在籍人 数が35名を超える学校数ですが、 1年生から3年生までそれぞれ6校ございます。少人数での指導は確かにメリットは多いと考えます。文部科学省も少人数指導を推奨しております。
そのための教員の加配措置も年々増員してきております。
本市におきましても,今年度小学校に22名の加配教員を国から措置していただき、算数や理科等の教科においてチームティーチングや少人数に分割することによって、学習指導の効果を高めております。また、学校によりましては教員の定数の範囲内で,構内操作により学級編成の弾力的運用を大阪府教育委員会に認可され、35人以下の学級編成となるよう工夫している学校もございます。
本市としましても、現有の教員枠の中でより教育効果を高める努力をしながら,並行して国や府に加配教員の増員を強く要望してまいりたいと考えておりますので,御理解いただきますようお願いいたします。    ・
続きまして,学校内禁煙についてでございますが,調査しましたところ,小中学校30校中何らかの部屋を喫煙場所にしている学校が18校、職員室の一画に設けている学校が9校、職員室の外に設けている学校が2校ございました。また1校は、来客は別にして職員は全面禁煙しております。
最後に、 トイレの消臭についてでございますが、学校のトイレにつきましては、子どもたちのくさい、暗い、汚い、怖いという訴えや、保護者からの改善要望もございまして,校舎の大規模改造工事等の改修時に全面改修を行っているところでございます。なお,既にトイレ改修を行った学校は、緑ヶ丘小学校、鶴山台北小学校、国府小学校、和気小学校の4校、中学校は、郷荘中学校、和泉中学校の2校でございます。
以上でございます。よろしくお願いいたします。

再質問

少人数学級は, 2,000万から3,000万の予算で実現可能と伺いました。先ほどの住基のシステム導入には5,000万円かかっています。また、自動交付機にも導入しようと思えばかなりたくさんのお金がかかってまいりますし、住基のこれにはランニングコストがずっとついて回ります。わずか2.5%, 4,500枚カードをつくるのにこれだけのお金をかけるのに、教育費にかけられないのか、私にとっては非常に不思議なことです。
どうぞ教育長、市長さん、次の和泉市をつくる子どもたちのために、教育にお金をかけていただくようにお願いいたします。
教育は百年の計をもってするといいます。行政評価システムの構築で見えてくるものがあると思います。むだをなくして、教育にお金をかけていただきたいと思います。
それと、 トイレの消臭ですけれども,和気小学校の前の校長先生が給食の残菜をEM菌で処理して、その液肥をトイレに流し、できた堆肥を畑に入れ、子どもたちと一緒に立派な作物をつくるという循環というか、総合学習の観点から取り組んでおられました。
私はトイレのにおいを消すだけではなく、総合学習の中から生きる知恵だとか自分で学ぶ力,これをつけていっていただくような学校側の配慮をぜひよろしくお願いいたします。
次に移ります。受動喫煙に関しまして、先ほどの御説明の中では、職員の方に周知をするということでしたが、周知するだけではなく、サポート体制が必要だと考えます。それには、現況の調査などが必要だと思われますが,お考えをお聞かせください。

答弁
学校教育部の森でございます。
3点再質問があったかと思います。ーつーつお答え申し上げます。
まず,少人数学級の必要性についての再質問でございましたけれども、先ほどの小学校の6校に非常勤講師等の措置をするとなりますと、他市の例を参考に見ますと,大体2,000万円から3,000万円になろうかと思いますが、厳しい財政状況の中、本市といたしましては,先ほど申し上げましたように、国から措置されている加配教員をより有効に活用していくとともに増員要望もしてまいりたいと考えておりますので、御理解いただきますようお願いいたします。
続きまして、全面禁煙を速やかにすべきだという御質問だったかと思いますが、将来的には、具体的に年次を切って言いますと,2010年までに学校敷地内禁煙を考えておりますが,まず段階を踏んで、完全分煙に向けて各学校を指導してまいりたいと考えております。少なくとも、子どもたちを初め、たばこを吸わない人が学校内で受動喫煙することのないよう指導を徹底していきたいと考えております。
また、教員に対する意識調査を今年度中に実施していきたいと考えております。
それとあわせて,子どもたちへのたばこの害についての教育も充実していきたいと考えております。
最後に、 トイレについてでございますけれども,学校施設につきましては、年数の経過に伴い老朽化が進んでおりまして、 トイレも例外ではなく,配管の不良など根本的に改修を要するものについては、営繕工事で全体的に改修を行っているところでございます。
また, トイレのにおいの改善につきましては,昨年度より一部でモデル的に専門業者によります配管及び便器の清掃、またトイレ内の壁、天井にマイナスイオン,遠赤外線を発生し、消臭能力のある塗料を塗るなど、試験的ではありますが,改善に向けて努力しているところでございます。
その成果でございますけれども、一定の消臭効果はあったと考えておりますが、その効力期間や実施頻度の問題もございまして、今後とも改善方法を研究してまいりたいと考えております。
以上でございます。よろしくお願いいたします。

要望
少人数学級は, 2,000万から3,000万の予算で実現可能と伺いました。
先ほどの住基のシステム導入には5,000万円かかっています。また、自動交付機にも導入しようと思えばかなりたくさんのお金がかかってまいりますし、住基のこれにはランニングコストがずっとついて回ります。わずか2.5%, 4,500枚カードをつくるのにこれだけのお金をかけるのに、教育費にかけられないのか、私にとっては非常に不思議なことです。
どうぞ教育長、市長さん、次の和泉市をつくる子どもたちのために、教育にお金をかけていただくようにお願いいたします。
教育は百年の計をもってするといいます。行政評価システムの構築で見えてくるものがあると思います。むだをなくして、教育にお金をかけていただきたいと思います。
それと、 トイレの消臭ですけれども,和気小学校の前の校長先生が給食の残菜をEM菌で処理して、その液肥をトイレに流し、できた堆肥を畑に入れ、子どもたちと一緒に立派な作物をつくるという循環というか、総合学習の観点から取り組んでおられました。
私はトイレのにおいを消すだけではなく、総合学習の中から生きる知恵だとか自分で学ぶ力,これをつけていっていただくような学校側の配慮をぜひよろしくお願いいたします。
受動喫煙防止について
質問
2003年5月から施行された健康増進法25条において、多数の人が利用する施設の管理者は,施設利用者の受動喫煙を防止するため、必要な措置を講じるよう努めなければならないこととされました。多数の人が利用する施設の例としては、学校、体育館,劇場、観覧場,集会場,展示場、百貨店、事務所,官公庁施設、飲食店等具体的に掲げられています。
本市のこれらの施設のうち、本庁内における対策と経費についてお聞きします。また、来庁者への周知の方法,職員への対応についてもお聞きします。あわせて、保育所の現況と対策についてもお示しください。

答弁
総務部の橋本でございます。御質問の5点目の受動喫煙防止の御質問につきまして、御答弁申し上げます。         ・
市庁舎につきましては、平成10隼から分煙を実施しておりますが、喫煙場所と非喫煙場所とが完全に分離されておりません。健康増進法が本年5月1日から施行されたことにより,受動喫煙を防止するために、現在の喫煙場所の廃止、改修、また喫煙室の新設を実施し、さらにたばこの自動販売機は近日中に撤去いたします。経費につきましては、今のところ平均で1カ所当たり平均40万円程度と試算しておりますが、喫煙場所の設置箇所数も含め必要最小限にとどめるよう、検討しているところでございます。
また、来庁者の方々につきましては、玄関等庁舎内に文書を掲示し、完全分煙に御協力と御理解を求めていきたいとこのように考えてございます。また、各施設につきましては、本庁同様完全分煙に向け順次実施してまいります。
なお,職員に対しましては、法の趣旨を周知し完全分煙を徹底するよう努めてまいりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
以上でございます。

健康福祉部の石川でございます。受動喫煙防止に向けての保育所における現状と対策について、御答弁を申し上げます。
保育園につきましては、公立保育園と社会福祉法人の民間保育園がございますが,民間保育園につきましては、現時点においては調査等できてございませんので、公立保育園19園についてお答え申し上げます。
まず現状についてでございますが、敷地内完全禁煙を実施している園が6園,建物内完全禁煙を実施している園が4園、計10園が禁煙でございます。また、分煙でございますが,職員休憩室と事務所での喫煙を認めている園が2園、職員休憩室のみ喫煙を認めている園が5園、事務所のみ喫煙を認めている園が2園、計9園が分煙をいたしてございます。
また、保育参観、運動会等行事の際は、保護者の方々には保育所敷地内での禁煙について、 御協力をお願いいたしております。
今後の対策といたしましてでございますが、乳幼児が利用する施設であることにかんがみまして、少なくとも建物内禁煙を前提といたしまして、早期に調整を図ってまいる所存でございます。
なお、民間保育園につきましても,市の取り組み状況を随時情報提供いたし、協力等を求めていく所存でございます。
以上、よろしぐお願いします。 

再質問
受動喫煙に関しまして、先ほどの御説明の中では、職員の方に周知をするということでしたが、周知するだけではなく、サポート体制が必要だと考えます。それには、現況の調査などが必要だと思われますが,お考えをお聞かせください。

答弁
喫煙職員へ、禁煙するための働きかけの件でございます。御答弁申し上かます。
職員の健康保持・増進並びに受動喫煙の認識を高めるため,たばこに関する研修等を実施し、職員への禁煙の推奨を図っていきたいと、このように考えてございます。
なお,現状を把握するため、喫煙に対する現況調査については、実施方法を検討していきたいと、こういうように考えてございますので,よろしく御理解願います。
以上でございます。

再々質問
私はちょうど1年前のこの6月にもたばこについてお聞きしました。
しかし、残念ながらこの1年間、目に見える変化はございませんでした。2010年全館禁煙というのですが、もっと早い時期にはできないのでしょうか。7年も先のことでは計画が間延びしてしまいます。健康都市和泉21の中には,2006年に中間評価を行うことになっていますが、それにあわせての実施はいかがでしょうか。
また、市民への周知ということで、玄関だけではなく執務室は禁煙となっています。皆様の御協力をお願いしますと掲示することが大きな効果を持つと考えますが、考えをお聞きします。
これは来庁者だけでなく、職員自身の自省にも大きな効果が期待できると思います。よろしくお願いいたします。
答弁
総務部の橋本でございます。
まず,取り組みの状況でございます。今年度早々から、完全分煙に向けまして、関係課と調整を図ってきたところでございます。前回、禁煙の実施時期につきましては、来庁者の方々の御理解と御協力が必要なことから、市民への啓発も含め,できるだけ早期に実施できるよう努力してまいりたいと,このように考えてございますので、よろしくお願い申し上げます。
以上です。

再々質問追加
答弁漏れがあります。                 
執務室にお知らせを張ることについては、どんなお考えをお持ちでしょうか。
答弁
執務室への掲示につきましても,早急な形の中で検討していきたいと、このように考えてございますので、よろしくお願いいたします。

要望
現在、市の関連する施設で、館内禁煙の施設は,私の知る限りでは市立病院、保健センター、久保惣美術館,彩生館、シティープラザ、霊園だと思っております。これら施設で働く職員の方々には、喫煙の習慣を持っておられる方も多くおられるでしょう。しかし、職場の規範にあわせていただいております。
本庁で働く人も、館内禁煙になればこれらの人と同じ条件になり、整合性もとれると思います。喫煙者にとっては厳しい状況ですが,館内禁煙を機にたばこをやめられた方もおられます。何よりも本庁が範を示すことが大切であります。そして、決めたことは守っていただきたいと存じます。
最後にあえて言わせていただきますが、完全禁煙にすれば、経費はかかりませんでした。
しかし、分煙という選択をとられまして、市民の大切な税金を使わせていただくのですから、市民から納得のいく経費のかけ方、すなわち私からすれば、余り経費をかけないで,できるだけ早い時期に館内禁煙をしていただくことを要望いたしますとともに、特にスポーツ関連、私は1年前にもお願いしましたが,体育館やサンさんプールなど、健康増進のためにお見えになっているその施設で、なお1年たっても何の変化がないということは、私にとっては理解できません。
ぜひ、それぞれの施設名は挙げませんけれども、早急な対策をとっていただくようにお願いいたしまして、ダムの質問にまいります。
槇尾川ダムについて
質問
私は,過去数回にわたって槇尾川ダムのなぜダムが必要なのかの視点から,一般質問をしてまいりました。そのやりとりの中で細かな数字の議論である同じことの繰り返しで堂々めぐりの議論である、そもそも大阪府の計画であり大阪府と直接やり合う性格のものであると,私の質問に対し多くの疑問や非難があることは承知しています。
それにもかかわらず私が質問を続けるのは、 1つ目は、不要不急のダムを豊かな自然を破壊してつくることが何としても許せないこと。さらに,不要不急であることを明らかにするにはダムが必要とする根拠をただすことが必要である,この2点からであります。特にダムの必要性の根拠は、どうしても細かな数字の取り扱いにならざるを得ず、幾度の参考資料を配付させていただき説明させていただいたつもりですが、わかり難いのは事実であったと思います。
しかしながら、同じような議論を続けざるを得なかったのは、私の質問に大阪府を含め関係当局が正面から答えていただけなかったことからであります。議論を収束することにゃぷきかではありませんが、それには私の今までの質問に対して真撃にお答えいただくことが必要であります。その項目を再度整理してお尋ねいたします。
今回答弁いただくことができないものについては、早急に大阪府と協議いただき、文書にて回答をいただきますようお願いいたします。なお、今までは当局の回答は会議直前にしかいただけませんでした。今回は既に質問内容は出させていただいたものばかりですので,7月中に回答いただくようお願いいたします。
 それでは質問項目の整理をいたします。

第1点、洪水到達時間について。                        
槇尾川ダムにおける各種計算式での洪水到達時間について,各種計算式とは大阪府の方式、既にいただいたものです。カーベイの式,土木研究所の式、角屋の式、等価粗度の5つについてであります。槇尾川ダムに適用した計算のものをお願いいたします。
なお、前回の質問に対する大阪府の回答の中に、等価粗度法の出典が明らかでないとの指摘がありましたのでそれを述べます。
計算式は、大阪府が基本高水の切り上げ時に使用した千田稔著実用河川計画,中小河川計画、改修計画の理論と実際、ページ51から54にあります。さらにその中の等価粗度係数は,これも大阪府が洪水到達時間の計算のときに使用している建設省河川砂防技術基準(案)調査編、ページ93表5、7によっています。

2、大阪府の洪水到達時間の計算方式について。
前回の一般質問でも資料を配付し明らかにしましたが、大阪府の計算方法は流域が2平方キロメートル未満や限りなく2平方キロメートルに近い場合に、例外的に適用される計算方式で、 3.4平方キロメートルの流域を持つ槇尾川ダムには当てはまりません。前回資料を提出しましたが、兵庫県大津川水系の権現川流域は、流域面積3.31平方キロメートル、流路長2キロメートルで槇尾川ダムに酷似した河川ですが,流入時間30分を採用しています。大阪府の適用は明らかに間違っています。
また、最近入手した島根県土木部発行の河川改修計画実施要領平成15年3月発行でも、 2平方キロメートルを先取りし計算する方法を明確に定義しています。この担当者には直接電話をして確認いたしました。大阪府は通常この方式を使っていると言われましたが、それが誤っているのではありませんか。大阪府はこの方式を通常しているとあるなら,その事例の内容の計画とすなわち計算式も含めてお示しください。
           ,
3、洪水調節容量について。
先般の私の質問に対する大阪府の回答で初めて明らかになったことがあります。それは、今回のダム洪水調節容量84万トンは,洪水調節容量の計算で得られた値から,2割増しの余裕を見込んだ計画であることが明らかにされました。私が質問して初めて明らかになったことです。ことこそさように、この計画は100年確率の採用、2倍を超える引き延ばし率の適用、基本高水の切り上げなど、過大きわまる安全率のかさ上げによって成り立っている計画であります。
前回、時系列な流入量、流出量、貯留量の回答を求めましたが、今回の回答では、コンピューターの中にあるとの理由で提出いただけませんでした。さきに述べました2割の余裕も含め、この計画の詳細を知る必要がありますので,洪水が始まってから終わるまでの1時間ごとの流入量,流出量、貯留量の水位がわかる数字を提出していただくようお願いいたします。
以上について御回答いただければ,数字の評価を行い議論の収束をしたいと考えています。
しかしながら,相も変わらず議論をはぐらかすような回答であれば、収束の話は保留させていただきます。                        ・
次に、槇尾川ダムは大阪府と国の事業で,和泉市は計画の必要性、妥当性については関与 しないような雰囲気が見られますが、大きな誤りであります。前回も申しましたように、このダムは和泉市にできるのです。この利益も不利益も和泉市民が直接これを享受することになります。他人事ではありません。
建設費は大阪府と国が折半し、当市の負担は基本的にないとの感覚も全く時代錯誤であります。これらのお金はすべて税金で賄われるのです。天から降ってきたお金ではありません。
自分のことと考えねばなりません。極めて厳しい財政状況にあって,不要不急の事業に貴重な税金を使うことはできません。
この議論を避けることは、ダムが無用の長物であったなら税金のむだ遣いに結果的に加担することにもなります。また専門的なことで云々との議論もありました。必要なら勉強されてはいかがですか。大阪府から専門家を招致し勉強会を開催してはいかがですか。このような議論自体が不毛の議論とお考えなら何をかいわんやですが。

答弁
土木下水道部の清水でございます。
6番目の槇尾川ダムに関します数件につきまして,御答弁申し上げます。小林議員から御質問の到達時間、治水容量などの槇尾川治水ダム計画の取り組みに必要と なっております算出根拠などにつきましては,14年の第2回定例会でのダム計画の根拠以降, 第3回の定例会のダムの必要性を左右するダムサイトでの基本高水流量、第4回定例会の基本高水流量を決定する洪水到達時間について、15年第1回定例会の到達時間及びダム容量についてなどの内容で,御質問の継続をいただいております。
これら槇尾川ダム建設に伴います技術手法の導入検討経過、及びその内容にかかわります。
専門的な内容についての御質問に関しましては、事業主体である大阪府にその都度回答をお願いし、回答が出ました段階で御報告させていただいております。
今回の洪水到達時間の回答も、昨年の第4回定例会での答弁に申し上げました平成14年12 月10付の府の回答と、同様の回答をいただいております。このことをまず最初に御報告申し 上げておきたいと存じます。
まず,1つ目の洪水到達時間についてでありますが、前回の平成14年12月10日付の回答に、 ダム直下での基本高水流量の件の内容に、カービー式を追加する形で回答をさせていただいておりますので、その内容を報告させていただきます。
土建式、カービー式は、クラ一ヘンよりもカバーする範囲が小さい結果となっています。角屋式は、その関係式(T=CA0.222乗REマイナス0.35乗)により、降雨強度が増すと洪水到達時間が短くなる傾向を示していますが、全般的に洪水到達時間はクラ一ヘン式に比べ大きく算出される傾向にあります。将来、計画規模相当の洪水到達時間が小さくなる傾向を踏まえると、河川砂防技術基準(案)における一般的標準的な方法(クラ一ヘン法)により,算出することが妥当であると判断されます。
以上により、槇尾川ダム地点において、クラ一ヘン式により算定した洪水到達時間約20分は間違いないと考えております。また,流入時間の算出における等価粗度法での算出の出典は、大阪府で調べた限りでは把握できません。提示願います。との回答でございます。
また、面積の平方根の案分についてでは、流域内での河道をなす部分までを流下する流入時間については、面積の平方根に比例する算出方法を大阪府では通常使っております。これは、中小河川計画の手引き(案)、中小河川計画検討会編集にも紹介されています、と前回同様の回答でございます。
なお、槇尾川ダム地点の流量検証に用いた合理式での,洪水到達時間についての一般的な大阪府の事例でございますが、河川法が平成9年に改正され,その河川法第16条により河川管理者は、河川整備基本方針及び河川整備計画を作成することとしております。
現在、大阪府においてはこの基本方針及び整備計画を作成されている河川のうち,槇尾川ダム地点の流量検証に用いた合理式での洪水到達時間と同様の方法を用いている河川については,津田川(岸和田市・貝塚市)、佐野川(佐野市)、香椎川(泉南市・田尻町・泉佐野市)など14河川があります,との回答でございます。
それから、2つ目の治水容量について、算出根拠を数値で示してほしいということでございますが、治水容量84万立米の算出根拠でございますが、槇尾川ダムの洪水調節容量は,昭和57年8月の計画降雨より与えられる84万立米としております。治水容量84万立米算定の対象とした計画対象洪水は,モデル降雨及び実績降雨を対象としており、ダムによる洪水調節計算を行い算出したものです。
なお,洪水調節の方式については、穴あき、自然調節方式とし、流出計算を行うときの有効雨量は累加雨量との関係を考慮しており,また洪水調節時間で得られた容量に2割の余裕を見込んだものを、必要洪水調節容量(治水容量)としています。洪水調節計算式は前回と同様の計算式を示されており、備考欄にコンピューターによる繰り越し計算を行い、S2の最大値が洪水調整値で与えられた容量、という但し書きがございます。
ちょっと段を置きまして、コンピューター出力から貯水量最大値の読み取りといたしまして、貯水量の最大値Sのマックス=69万7,000コロンで29立米、貯水量が最大値になる時間における流入量1のSマックス=11.8立米毎秒、貯水量が最大値における流出量QのSマックス=11.5立米毎秒。したがいまして、必要洪水調節容量(治水容量)は、69万7,000コロンで29立米×1.2=83万6,435立米。これをもちまして約84万立米との答えを得ております。
以上が大阪府からの答えでございます。
それから、最後に3点目でございますが,ダムの基本の勉強をしてはどうかとの御意見ですが、小林市議が求められるなら、大阪府はダムの一般的な内容であれば説明させていただきますとのことであります。


再質問
何点かありますが、簡潔にお答えをいただきますようにお願いいたします。
先ほど趣旨説明の中で、各種計算式を7月中に回答をいただきたいということをお願いしましたが、回答をいただけるかどうか。
次に、各事例の洪水到達時間の計算内容についてお示しいただきたい。
また、ダム容量の算出根拠ですが、貯留量の最大値の読み取り結果では、その経過が全くわかりません。先ほども申しましたように,洪水が始まってから終わるまでの流入量、流出量、貯留量の1時間ごとの数字の経過を教えてください。
また、今回初めてわかったことですが、治水容量を計算値から1.2倍して決定している証拠は何ですか。これも単なる安全サイドの計画なのですか,お答えください。
それと先ほどの御答弁で,出典の題名だけ,本の題名だけ教えていただきましたが,私は大阪府に回答するときは、この本の何ページの何の表にあるというふうに細かくお答えしております。大阪府からのこれからの回答は、大ざっぱな回答ではなく、私がお示ししたような回答をもってお願いしたいと思います。
以上でございます。
答弁
土木下水,清水でございます。
今回,質問いただきました内容につきましては,我々では判断できませんので,質問の内容を筆記されました書類を大阪府に見せまして、正確な回答をいただくようにお願いしていきたいと思います。
ということになりますので、当然、例えば7月中とか、その中身についてと云々は、その時期につきましては,私どもの方としましては、一応府さんの方へお願いするという努力はさせていただきますが, 7月中に必ず出るというのは現在ではお約束できない状況になるかと思います。
ただ、今日お聞きしたことは、府の方へお伝えをして、回答を得るような形で努力させていただきたいと思います。
以上です。

再質問
勉強会のことですけれども、突然ですが、この槙尾川ダムの治水基準点及び計画高水流量、基本高水、これはこの4月着任早々の清水さんにお答えをいただくというのはどうかと思いますが、そのあたりの御認識はいかがでございましょうか。
答弁
土木下水の檜水でございます。
基本高水の中身はどうかということでしょうか。
基本的には基本高水ということになりますと,ダムをあり,なしを含めた中での治水計画の中での流量というふうに感じております。それの一番基準点になりますのが板原地点での710トンをというふうに理解しておりますが。それを通常切り上げまして750トンになると。

再々質問
ありがとうございました。                
治水基準点は板原でございます。基本高水流量は710トンを切り上げまして750トン、計画高水はダムで50トン、カットするので、 700トンでございます。
このような状況ですので,大阪府は小林が望めば勉強会をしてもいい。勉強会というか、説明会ですかね,ということでございますが,一方的な説明会ではなくて疑問に答えていただける、あるいはそのメンバーも参加したいという人は加わってもいいのかどうか。その辺、話し合いの余地があるかどうかを聞いていただけるか。担当の方にお聞きいたします。
答弁
土木下水道の井阪でございます。
勉強会とおっしゃってることなんですが,その辺につきましては、小林先生がみずから求められるということになれば,そういったセットを私の方ではきせていただくと思います。
ただそのメンバーさん云々につきましては、これは私がどうのこうのと言える立場ではございませんので、できましたら先生の方でその辺の汗をかいていただきたいと、かように存じます。
それと、その勉強会でございますが,これはちょっと横道にそれるのかわかりませんけれども、平成9年の第3回の定例会におきまして、ダム促進の議会からの意見書をいただいておりまして,関係各大臣等にお送りさせていただいておりますが,この意見採択に当たりまして、やはりダムそのものにつきましては、十分御理解いただけると我々は考えてございます。
当然、専門的な、基本的なあるいは根幹的なダムのつくりにつきましては、これは専門家に任せてした方がよいのではないかと、議会の方ではそう思っておられるのではなかったのかなと私なりに解釈しております。
以上でございます。

要望
ただいまの部長の御答弁には、まだまだ私にとっては議論の余地があるところでございますが,もう時間もございませんので、まとめる方向でお話をさせていただきます。
勉強会につきましては,私が望めばしていただけるということでありますので、メンバーも私が声をかけさせていただけるということでありますので,ぜひ部長以下、担当の方を含め、私もーから勉強しなおしていきたいと思っておりますので,その点はぜひ御協力をよろしくお願いいたします。   
また、けさの朝日新聞には、兵庫県の揖保川は、ダム新設抑制をという大きな見出しで、ダムに頼らない総合治水計画をするという計画が発表されました。
この揖保川には現在ダム計画はありませんが、近ごろの潮流はこういうことであります。
ダムという選択は,ほかに選択がなければこれですると、こういうことでございますので、槙尾川に関しましては、多少掘削及び堤防のかさ上げ,また遊水地でありますとか,いろんな,また同僚の上田議員があすかきょうの遅くかわかりませんが、お話しされますが、緑のダム構想ということもございますので、ダムはもう最後の最後,どうしても代替案がないときはそれをするということをきょうの新聞でも報道されておりましたので、皆さんも御協力をよろしくお願いいたします。