平成17年度予算委員会質問と答弁
質問 | 私たち大阪府の無所属議員(18市27人)が連帯して「公金投入の見直しを求める議員の会」を結成し、この互助会問題と健保問題について見直しを求めて活動してる。 この互助会制度は現在大阪市の職員厚遇問題と同じく大きな問題を抱えている。 一つは考えられない手厚い給付、中でも退会時に給付される退会餞別金は数百万円にもなり、大阪高裁では違法との判断が出ている。その他子供達の幼稚園から高校までの入学祝い金の支給等市民の目から見て到底納得できない給付が行われている。 二つめはこの互助会への公金の投入である。職員の掛金の1.5倍を超える税金が補給金として投入されており、職員一人あたり税金の投入額は現在問題となっている大阪市のそれを上回っている。本来の職員相互の助け合い趣旨を逸脱した補助がなされている。 以下個別に質問する |
掛金、補給金について | |
質問 | 17年度予算での掛金及び市の補給金はいくらか |
答弁 | 和泉市では掛金8327万8千円、補給金は1億3681万4千円。互助会全体では掛金31億9740万9千円、補給金は47億9611万4千円。 |
質問 | 互助会では補給金の比率が1:1.5なのに和泉市は1:1.64となっている。何故か。 |
答弁 | 急な変更で間に合わなかった。 |
コメント | 今まさに問題となっている互助会の負担の問題が互助会での整理と市の予算での整理が違っているのは大きな問題。急な変更で間に合わないなどこの問題の担当部門の関心の低さが伺われる |
退会給付金(退会餞別金)の給付は | |
質問 | 退会給付金(退会餞別金)の給付は |
答弁 | 17年度に支払われる予定は和泉市では総額5億1895万5千円、一人あたり平均498万6千円、最高額は846万4千円である。互助会全体では204億7600万円、一人あたり平均498万6千円。 |
質問 | 退会給付金、退会餞別金、生業資金別の内訳は |
答弁 | 互助会が直接給付しており、内訳は把握できていない。 |
要望 | 確認してください。 |
コメント | 市が職員への給付の詳細を把握していないとは考えられない。何か不都合な事があるのか |
職員の退職手当について | |
質問 | 退職手当の額は |
答弁 | 17年度予算では定年退職手当の総額2億9245万円、一人あたり平均は2658万7千円。 |
コメント | この退職金は民間に比べ遜色ない。加えて退会給付金という第2の退職金を支給する根拠はない |
他の自治体での退会給付金について | |
質問 | 他の自治体で数百万円にものぼる退会給付金等を給付している自治体があるか |
答弁 | 互助会に確認したが把握していない |
要望 | 後ほどの一般質問で補足質問するので調べていただきたい |
コメント | 裁判中の退会給付金が他の自治体でどうなのか把握していない事は考えられない。他には見あたらないのか? |
給付の見直しについて | |
質問 | 互助会の負担割合を削減する予定と聞いているが給付の見直しは |
答弁 | 18年度に補給金が大幅に減少するので、17年度中に全体的な事業の見直しが必要となる |
退会給付金等の支給財源(責任準備金)について 詳細はここ | |
質問 | 仮に今互助会が解散したとすると各人に支給されるべき退会給付金等は総額並びに一人あたりいくらになるか |
答弁 | 互助会の休止や解散は予定していないので、答えられない |
質問 | 互助会の休止又は解散するを前提の話ではない。現在退会給付金等の財源が確保されているかを確認するためである。 事前に頂いた資料を基にこれを概算すると現時点で必要な財源は退会給付金は1690億円、更に今回の制度改定の移行期間が終了する5年後は退会給付金842億円、退会餞別金142億円の合計985億円となる。 一方これに備えるべき責任準備金は15年度決算で519億円しかなく大幅に不足している。直近の互助会の収支は14年度実績25億円、15年度実績47億円、16年度予算70億円、17年度見込み(当方試算)74億円のいずれも赤字で、この4年間で216億円の赤字を出し、この赤字を責任準備金で補填すると17年度末の責任準備金は376億円に減少することが推計される。 必要な財源とはかけ離れた準備金しかなくもはや退会給付金制度は破綻しているのではないか。当方の試算に誤りがあるかも含め検証願いたい。次の一般質問の時に答弁願いたい。 |
答弁 | 互助会の資金シミュレーションは全ての退会を想定していないので、明快な回答が出来るか不明です。 |
コメント | 私の計算が正しければ責任準備金の積み立て不足は明らか。今まで大盤振る舞いで退会給付金を給付してきたのか大いに疑問。このままの制度維持が困難なのは明らか。 |
退会給付金を巡る最高裁の状況について | |
質問 | 退会給付金を巡る最高裁の裁判の状況は |
答弁 | 公判の開催や準備書面のやりとりを最高裁が行わないので、裁判の状況は分からない |
質問 | 仮に違法となった場合は市は返還を求めるのか |
答弁 | 判決が下り次第速やかに判断したい |
コメント | 裁判の状況では上告棄却の公算大か? |
生業資金について | |
質問 | 生業資金とはどのような性格のものか |
答弁 | 退会時に支給される給付金で、S55年3月に凍結し会員の預かり金として別経理となっている。 |
質問 | 55年に凍結したのであれば、退会給付金の給付日数の前提となる在会年数はS55年を起点に計算すべきだが、頂いた資料によると入会時から通算した在会年数を使っている。おかしいのではないか。 |
答弁 | 制度の改正時にあたって、入会年数と在会年数に一部逆転現象が生じたため、経過措置として設けられたものです。 |
要望 | 説明は理解できないので後ほど具体例で説明願いたい。 |
コメント | 生業資金は55年以前の退会給付金で、当時は補給金の比率は今よりも更に高かった。55年当時も現在のようにこのままの制度維持が困難なのでその時点で給付を凍結し、それを預かり金として管理している。 在会年数の計算は不透明な点あり。 |
議会への報告について | |
質問 | 互助会には毎年億単位の税金が投入されており、少なくとも予算・決算は議会に報告すべきではないか |
答弁 | 地方自治法第221条第3項に定める議会への報告義務のある団体ではない。実態的にも市と独立し、独自の決定権を持っている団体であり報告は考えていない。 |
要望 | 互助会との委託契約でも必要なときは報告を求めることが出来るとなっており、かつここ数年は制度が大きく変わる時期でもあり、今後は報告をお願いしたい。 |
「なにわ会館」について | |
質問 | 毎年7千万円近くの多額の赤字を出し、互助会の会計から補填している「なにわ会館」の休止計画はあるか |
答弁 | 休止計画はない。効率的な運営に努めている。 |
要望 | 昭和40年から営業し、一定の役割を終えたのではありませんか。今後の見直しの対象とすべきと考えます。 |
職員の生命保険の掛け金について | |
質問 | 大阪市で問題となった職員の生命保険の掛け金を公費から支出しているか。支出しているならその内容、又何を根拠に支出しているのか |
答弁 | 16年度まで市費で掛金を負担していた。死亡時保険金が40万円で、一人あたり掛金は年額1120円で16年度の総額は180万円。今年度から廃止する。支出の根拠は地方公務員法第42条の福利厚生の一環。 |
質問 | 廃止は結構だが、止めた理由は |
答弁 | 福利厚生事業を取り巻く社会情勢によって廃止した。 |
コメント | 今回の職員厚遇問題が原因で廃止した。これがなかったらこのまま続けていたものと思われる。 |
市長の考えについて | |
質問 | 健保の池田理事長は公費負担削減と共済組合への移行など健保の抜本的な見直しを表明したが、互助会の理事長である市長のお考えは |
答弁 | 互助会の負担割合を1:1にしていきたいと考えている |
要望 | 負担率を減らしてその結果給付の見直しを行うのは本来の姿ではない。福利厚生のあり方を整理し、共済会、厚生会との関連も整理し互助会として行うべき必要最小限の給付を考えるべきです。その後市民から理解を得られる負担割合を決めるべきと考えます。市長にはリーダーシップを是非とも発揮していただきたい。 |
コメント | 時代の流れで負担率の是正の方向を示したが、互助会の抜本的な改革についての市長の思いが感じられないのは極めて残念。 |
互助会問題について