平成17年3月議会で反対討論をしました

和泉市乳幼児の医療費の助成に関する条例の一部を改正等の議案に反対の立場で討論しました。

討論内容
議案第12号「和泉市乳幼児の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例制定について」反対の立場から討論いたします。
 本条例は、乳幼児の医療費にかかわる助成を必要とする家庭の経済的負担を軽減し、子どもの育てやすい環境づくりを推進するため、助成対象を1歳引き上げるとともに、その対象者に所得制限を設けるものであります。私は、年齢引き上げは、子育て支援にかなうものであり賛成いたしますが、所得制限を設けることには反対であります。
 平成11年に策定された和泉市児童育成計画エンゼルプランでは、基本理念として、1、安心して子どもを産み育てやすい環境づくり、2、子ども自身の利益が尊重され健やかに育つことのできる環境づくりがうたわれています。子育て家庭に対する支援の現状と課題の分析では、子育て費用対策の項で、子育てに係る費用負担が少子化の一つの要因であると言われています。
 エンゼルプランのアンケート調査結果においても、子ども数が理想よりも少ない理由として、経済的負担が大きいからと回答したのが最も多く、過半数を占めていることに注目すべきであると述べられ、今後家庭の経済的負担の軽減に向けて、より一層助成の充実が望まれますと記述されています。その観点から言えば、今回の助成に関し、所得制限を設けることは子育て家庭への支援の充実からは後退です。所得の多い少ないにかかわらず、次代を担う世代の育成には社会のバックアップが不可欠です。
 平成16年度3月に示された和泉市次世代育成支援に関するニーズ調査報告書でも、子育ての不安や悩みの中で、子どもの友達づき合いに関すること38.6%、病気や発達、発育に関すること38.5%、子どもの教育に関すること36%、子育てに係る費用がかさむこと35.3%と、ベスト4に入るほどです。次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、かつ育成される環境の整備は、少子化の今こそ、力を入れていかなければなりません。よって、この議案に反対いたします。
 次に、議案第17号「和泉市立幼稚園条例の一部を改正する条例制定について」反対の立場から討論いたします
 公立幼稚園の保育料は、昭和53年より26年間据え置かれており、値上げの背景は一定理解できますが、今回の値上げは余りにも大幅で、保護者の負担が大き過ぎます。値上げが必要としても、数年かけて段階的に改定する必要があります。さらに、昨年秋の入園募集では、この値上げについては一切触れられておりません。そのような中で、今回一気に57%の値上げについては、到底保護者の理解を得られるものではありません。幼稚園保育料の値上げが必要なら、事前に入園募集時にきちんと説明をして、その上、入園をしていただく必要があります。財政健全化のしわ寄せを次代を担う人たちにお願いするわけにはいきません。以上の理由から、今回の値上げの議案に反対いたします。
 次に、議案第1号「平成17年度和泉市一般会計予算」に反対の立場から討論いたします。
 財政健全化の初年度に当たり、市長を初め職員の方々にはいろいろ御努力いただき、予算編成をしていただいたことと感謝いたします。厳しい財政状況の中で、事業の一部見直しや廃止、あるいは一時凍結等の措置もいただきましたが、市民に御負担をお願いする予算編成となったことは否めません。中でも、泉州東部農用地整備事業には、国・府からの多額の補助金があるとはいえ、私たちの税金に変わりはありません。
 過日、産業建設委員会協議会で示された農業拠点施設整備に係るPFI事業導入可能性調査結果報告では、拠点施設のPFI事業導入とともに、民間集客施設が盛り込まれていました。このことは、拠点施設だけでのPFIは事業としての魅力が薄いため、民間集客施設の併設をしないと事業者の名乗りがないからではないかと危惧いたします。山の上の施設に年間18万人もの集客や農用地内農道に、1日3,894台もの通行量の予測は、にわかには信じられません。しかしながら、事業は、これらの予測に基づき計画されているのです。豊かな緑を削り、机上で計算した数字がひとり歩きするような事業が、本当に農業の発展につながるのかと心配でなりません。さらにこの事業は、槇尾川ダム事業と二律背反する事業であることから反対いたします。
 次に、財政健全化では、市民に負担をお願いする前に、削るべきものは削り、それでも不足するときに市民の方々に御協力を仰ぐのが本来ではないかと考えます。17年度予算においては、職員の生命保険掛金トータルで180万円削減や、厚生会への負担金1人当たり7,000円から5,000円に削減されるなどの努力は了としますが、まちづくりの主役である市民、納税者から見て納得できない職員への厚遇問題や期末手当の特別加算など、まだまだ問題点があると考えます。私は、働く人の権利は公においても民においても当然守られるべきと考えていますが、公においては、その原資は税金であります。納税者の納得が得られない事柄については改善すべきと考えます。
 まちづくりの主役は市民であります。その方々が、住む町に誇りを持ち、住んでよかったと思われるまちづくりこそ、今求められています。その意味からも、今般の幹部職員の不祥事は、まことに遺憾であります。市民の信頼を早期に回復し、期待にこたえるべく役所全体での刷新が必要とされています。今回の事件を契機に新しい和泉市をつくるべく、職員、理事者、議員が一丸となっての努力が求められます。
 次に、財政の厳しい今こそ、箱物事業は必要最小限の規模とし、少子高齢化に対応したきめ細かい環境、福祉、教育、文化など、生活者重視の施策や事業に取り組むべきと考えます。以上の理由により、反対いたします。
 議案第3号「老人保健事業特別会計」に反対であります。
 昨年11月、大阪府の制度改悪に伴い、本市の医療費助成制度も変わりました。高齢者の医療費負担が1割ないし2割であったものが3割に、また障害のある方やひとり親世帯についても、所得制限はあるものの有料になりました。社会的に弱い立場にある方々の受診抑制が起きているのではないかと危惧いたします。受診抑制の結果、症状が重くなってからの受診は、結果的には高額な医療費を必要といたします。よって、本会計に反対いたします。
 議案第5号「平成17年度和泉市公共下水道事業特別会計予算」に反対であります
 公共下水道の持つ宿命は、下水の処理施設よりも運搬施設、管渠とポンプに多額の費用を要するという点であります。この構造が改善されない限り、下水道料金の値上げは数年ごとに必要となり、一般財源からの繰り入れが必要となります。大阪府は平成22年に生活排水100%適正処理を目標にして、府内市町村が生活排水処理計画の策定、または見直しを行うスケジュールと方法を示し、本市は昨年、光明池と大阪外環状線とに挟まれた地域は、公共下水道での整備が有利な区域と報告されました。しかし、水洗化は公共下水道だけが唯一の手段ではありません。経済性、水洗化の時期、環境等に対する影響など、多くの点を考慮し、合併処理浄化槽と公共下水道をいま一度比較すべきと考えます。水洗化の促進等、現下での御努力は了といたしますが、さきに述べました理由から反対といたします。
 議案第6号「平成17年度和泉市市街地再開発事業特別会計予算」に反対いたします。
 本件は、事業の目的として、1、和泉市の都心としての都市核の形成を図るとともに、駅前周辺の商業・業務活動に新たな活力をもたらすまちづくりを進める、2、土地の高度利用と都市機能の更新を図り、また災害に強い住まいとまちづくりを進めるなどを掲げ、昭和63年3月に和泉府中駅周辺地区再生計画が策定されて以降、今日まで御努力をいただいております。しかし、当初転出希望者が25%であったものが、17年2月末では85.9%に上るなど、駅再開発を取り巻く社会経済状況は大きく変化しております。
 平成12年度時点では、事業費209億円であったものを更新後の17年3月現在では、特定建築者制度の活用、あるいは地下駐車場を立体駐車場にするなどにより160億円まで事業費を縮減されるなど、担当課の御努力は大いに評価いたします。しかしながら、このような大規模な駅前再開発は、多くのところでうまくいっておりません。直近では、大東市の駅前再開発が破綻し、再生機構に申請、国・府・市の投入額は90億円と報じられていました。今回予算が削減されたとはいえ、和泉市の負担は一般財源より33億8,600万円、起債が31億500万円であります。これに加え、駅舎関係で26億1,500万円の事業費を必要といたします。財政健全化計画に織り込み済みとはいえ、市の財政を大きく圧迫することは避けられないと考えます。市民が今求めていることは、駅のバリアフリー化、西口からのアクセスではないでしょうか。世の中は今大きく動きつつあります。もう一度踏みとどまり、冷静に考えてみる必要があると私は考えます。
 以上から、この議案に反対いたします。
 以上であります。